この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。
京都府宇治市に萬福寺(まんぷくじ)というお寺があります。萬福寺は黄檗宗(おうばくしゅう)という宗派のお寺で、異国の雰囲気に溢れた建物が特徴的です。この記事では萬福寺について詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
萬福寺は黄檗宗の大本山
萬福寺(まんぷくじ)は黄檗宗(おうばくしゅう)という宗派の大本山(だいほんざん)です。座禅(ざぜん)を重んじる宗派を禅宗(ぜんしゅう)といいますが、黄檗宗は、曹洞宗(そうとうしゅう)、臨済宗(りんざいしゅう)とともに日本三禅宗の一つに数えられています。そんな萬福寺について以下内容から紹介します。
- 中国の萬福寺との関係
- 萬福寺の歴史
- 萬福寺の見どころ
中国の萬福寺との関係
萬福寺は1661年(江戸時代)に、中国の隠元隆琦(いんげんりゅうき)というお坊さんによって開かれました。
隠元隆琦(いんげんりゅうき)は中国の臨済宗(りんざいしゅう)を代表するお坊さんで、中国の福建省(ふっけんしょう)にある黄檗山萬福寺(おうばくさんまんぷくじ)の住職をしていました。
日本から何度も呼ばれ、63歳でお弟子さん20名とともに1654年にやって来られたのです。
萬福寺の歴史
隠元隆琦(いんげんりゅうき)が京都の宇治でお寺を開く時、中国のお寺と同じように「黄檗山萬福寺(おうばくざんまんぷくじ)」という名前にしました。
最初は「臨済宗黄檗派(りんざいしゅうおうばくは)」としていましたが、明治9年から黄檗宗と呼ぶようになりました。
先ほど紹介したように、日本三禅宗の一つに数えられますが、ほかの二つと違って儀式や作法など、中国の要素が濃いという特徴があります。
お寺の建物を見ても、何となく異国の雰囲気がかもし出されており、日本古来のお寺と味わいが異なります。
黄檗山萬福寺の歴代住職
萬福寺は初代トップの隠元隆琦(いんげんりゅうき)から、第13代まで中国からやって来たお坊さんが住職をつとめました。だんだん中国からくるお坊さんが少なくなったため、日本のお坊さんが住職になることが増えています。
萬福寺の見どころ
萬福寺は広い敷地の中に多くの見どころがありますが、特に見て頂きたいところを紹介します。
大雄寶殿
大雄寶殿(だいおうほうでん)は萬福寺の本堂です。堂内には立派な釈迦牟尼佛(しゃかむにぶつ)が祀(まつ)られており、その両サイドには迦葉(かしょう)と阿難(あなん)が祀(まつ)られています。迦葉(かしょう)と阿難(あなん)はお釈迦様の十大弟子であり、仏教で重要な人物です。
大雄寶殿(だいおうほうでん)内部をぐるっと一周するように、十八羅漢像(じゅうはちらかんぞう)が祀(まつ)られており、見ごたえたっぷりの堂内となっています。
ちなみに大雄寶殿(だいおうほうでん)は、チーク材という木材を使っており、国内で歴史的建造物に使われているのはこの萬福寺大雄寶殿のみです。
天王殿
天王殿(てんのうでん)という建物は、四天王像(してんのうぞう)や韋駄天像(いだてんぞう)など、見ごたえのある仏像が祀(まつ)られています。
特に人気なのが布袋(ほてい)さんの像で、お釈迦(しゃか)様の跡継ぎである弥勒菩薩(みろくぼさつ)の化身といわれています。
三門
三門(さんもん)はとても立派な門で、ここから有料エリアとなります。正面にかかげられている額は「黄檗山」「萬福寺」と書かれており、隠元(いんげん)が書いたものです。
木魚の原形である開梛
萬福寺には、開梛(かいぱん)と呼ばれる魚の形をした大きな道具があります。行事や儀式の時間を知らせるためのもので、木魚(もくぎょ)の原型として知られています。
萬福寺のお役立ち情報
萬福寺のお役立ち情報として以下内容を紹介ます。ぜひ参考にしてください。
- 萬福寺の御朱印
- 萬福寺のおすすめ普茶料理ランチ
- 萬福寺の座禅や写経
- 萬福寺の年中行事
萬福寺の御朱印
萬福寺のご朱印は大雄宝殿(だいおうほうでん)、布袋尊(ほていそん)、韋駄天(いだてん)、魚梆(かいぱん)の御朱印があり、いずれも300円となっています。
ほかにも萬福寺ができてから350周年記念として「萬徳尊」の文字が書かれる御朱印が存在します。
萬福寺のおすすめ普茶料理ランチ
萬福寺は普茶料理(ふちゃりょうり)でも有名です。普茶料理(ふちゃりょうり)とは、隠元(いんげん)が中国から伝えた料理で、大皿に乗った料理を皆で取り分けて食べるスタイルのものです。
魚や肉を使わず、それらの味にソックリな味を表現する料理もあり、モドキ料理と言われることもあります。萬福寺ではコースによって3,000円~6,000円ほどで味わうことができ、ランチタイムのみ利用可能です。
萬福寺の座禅や写経
萬福寺では座って心を整える「坐禅(ざぜん)」体験や、お経を書き写して心を整える「写経(しゃきょう)」体験が可能です。
このほか、お坊さんのお話しである「法話(ほうわ)」や、お坊さんの作法を学ぶ「食事作法(しょくじさほう)」体験、お寺の掃除や草引きなどをする「作務(さむ)」体験、朝のお経を見学する「看経(かんきん)」なども可能です。
禅の修行を体験したい個人のほか、企業や学校などが研修で利用することもあります。
萬福寺の年中行事
萬福寺は禅師が亡くなった4月3日に行われる「開山祥忌(かいさんしょうき)」をはじめ、年間を通してさまざまな行事が行われます。いずれの行事も萬福寺の歴史を感じられる重みある行事となっています。
【関連記事】京都寺社の年中行事
萬福寺の参拝情報
萬福寺の参拝情報として以下内容を紹介します。ぜひお出かけ前にチェックしておきましょう。
- 萬福寺の交通アクセス
- 萬福寺の拝観案内
- 萬福寺の駐車場情報
- 萬福寺の地図
萬福寺の交通アクセス
萬福寺はJR奈良線「黄檗駅(おうばくえき)」、京阪宇治線「黄檗駅(おうばくえき)」から徒歩5分です。お車でのアクセスは、京滋バイパス「宇治東IC(滋賀方面からの場合)」から5分、「宇治西IC(大阪方面からの場合)」から10分です。
萬福寺の拝観案内
拝観料は大人500円、小中学生が300円で、拝観時間は9:00 ~ 17:00、最終受付は16:30となっています。
萬福寺の駐車場情報
萬福寺には大きな駐車場があります。萬福寺の駐車場は、最初の90分が500円、それを過ぎると30分ごとに200円追加となります。
萬福寺の地図
萬福寺の住所は「〒611-0011 京都府宇治市五ケ庄三番割34」です。地図を以下にて掲載しますので、参拝時の参考としてください。
【外部リンク】黄檗宗大本山萬福寺
まとめ
萬福寺は黄檗宗のお寺で、異国の雰囲気に溢れた建物が特徴的です。どの建物も立派で見ごたえがある上、それぞれの建物に祀(まつ)られている仏像も見事です。有名な普茶料理や各種体験など、拝観以外の楽しみもあります。京都の人気観光地に比べると人も少ないので、ゆっくりと参拝できるおすすめ穴場スポットです。
当記事と同じカテゴリーの他の記事は、以下リンクにまとめてありますので、宜しければクリックしてご覧になってください。
【カテゴリー】同じカテゴリーの他の記事をお読みになりたい場合は、京都の寺社100選【京都市外】をご覧ください。
京都祇園に本店を構える「祇園辻利」。抹茶好きなら知らない人はいない、京都でも老舗の宇治茶専門店です。
自宅にいながら老舗の味を楽しめる【祇園辻利・茶寮都路里オンラインショップ】 をご紹介します。
《他では味わえないおすすめポイント》
・最高の宇治茶をお届けする職人技
・1時間にわずか40グラムの奇跡!最高品質の抹茶をお届けするための独自製法
・名だたるパティシエが羨むほどに素材に応じた使い分けができる繊細な風味の差異をもつ抹茶を持っており、抹茶好きにはたまらない“質の高い”スイーツを提供
メディアで紹介された人気の抹茶スイーツ「Petitパフェ」や、抹茶スイーツの先駆者で行列が絶えない「宇治抹茶ロール」などをはじめ、人気NO.1の抹茶菓子「つじりの里・ぎおんの里」など、おすすめ盛沢山です。
他にもクリスマス、バレンタイン、母の日、敬老の日など、シーズナルで登場する限定商品にも注目ください♪