この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。
梨木神社(なしのきじんじゃ)をご存知でしょうか?京都御所(ごしょ)が建てられている京都御苑(きょうとぎょえん)の東隣にある神社で、名水として知られる井戸が有名です。この記事で詳しく解説しますのでぜひ参考にしてください。
梨木神社の歴史や見どころをご紹介

梨木神社(なしのきじんじゃ)は、明治時代に建てられた神社です。まずは梨木神社の歴史や見どころから紹介します。
梨木神社の歴史
梨木神社は、公卿(くぎょう)である三条実万(さんじょうさねつむ)、三条実美(さんじょうさねとみ)親子を祀(まつ)る神社です。
久邇宮朝彦親王(くにのみやあさひこしんのう)の命によって、三条家の邸宅(ていたく)の跡に、三条実万を祀(まつ)る社殿(しゃでん)が建てられたのが始まりです。
梨木神社と名付けられたのは1885年(明治時代)のことでした。1915年(大正時代)には大正天皇が即位(そくい)されたのを記念して、三条実美(さんじょうさねとみ)も一緒に祀(まつ)られました。
では、三条実万(さんじょうさねつむ)と三条実美(さんじょうさねとみ)がどんな人物だったのか、以下にてカンタンに記載いたします。
三条実万とは
三条実万(さんじょうさねつむ)は才能豊かと評判だった人物で、北野天満宮(きたのてんまんぐう)に祀(まつ)られている菅原道真(すがわらのみちざね)の生まれ変わりだとして、当時の人々から神さまのように崇(あが)められました。明治維新(めいじいしん)への原動力となった人物の1人です。
三条実美とは
三条実美(さんじょうさねとみ)は、幕末に尊皇攘夷(そんのうじょうい)・討幕派(とうばくは)の中心人物としてよく知られています。つまり、天皇を尊重し、外敵(外国人)を排除、江戸幕府を倒すという考え方です。
明治維新に大きく貢献した1人として、さまざまな重役につき、一時的に(臨時として)内閣総理大臣(ないかくそうりだいじん)も経験しています。
梨木神社の見どころ
梨木神社の見どころを紹介しますので、ぜひ参拝時の参考としてください。
京都三名水に数えられる染井
梨木神社には染井(そめのい)という井戸があり、京都御苑(きょうとぎょえん)の縣井(あがたい)と、堀川通五条西入ル(ほりかわどおりごじょうにしいる)という場所にある左女牛井(さめがい)とともに、京都三名水(きょうとさんめいすい)に数えられています。
水の特徴は甘くてまろやかな味で、茶の湯にも適しています。持参した容器に入れて持って帰っても良いですし、販売されているペットボトル容器に入れても良いです。水を求めるご近所さんも多いですよ。
縁結びのご利益がある愛の木
梨木神社には、葉っぱの形がハート型をしている「愛の木」という神さまの木があります。そのため、縁結びを求めて参拝する人もいらっしゃいます。心の中で願い事を念じながら「愛の木」に触れると、願いが叶うといわれています。
参道をさえぎる不思議なマンション
梨木神社の境内(けいだい)にはマンションが建っています。もともと参道だった場所に建つマンションは、鳥居の真横に建っており、とても不思議な見た目となっています。
というのも、社殿修復の資金集めに苦労していた梨木神社は、2013年に境内の参道を含む土地を、60年間の期限付きでマンションを建てる会社に貸すことになりました。
それにより修復のお金を工面したのです。そのため、参道はマンションをぐるっと回る形になっています。
梨木神社のお役立ち情報

梨木神社のお役立ち情報として以下内容を紹介します。ぜひ参考にしてください。
- 梨木神社のおみくじ
- 梨木神社の御朱印
- 梨木神社の行事
梨木神社のおみくじ
梨木神社には、ちょっと変わった「おみくじ」があります。さきほど紹介した染井(そめのい)の水に「おみくじ」を浮かべると、文字が浮き出てきます。
京都三名水で「おみくじ」を浮かべる時間はとても贅沢(ぜいたく)ですよ。
梨木神社の行事
梨木神社は京都を代表する萩(はぎ)の名所として知られており、毎年9月の第3日曜日や第4日曜日前後に「萩まつり」が行われます。
お供(そな)え物といっしょに紅白の萩の花、竹のかごに入った鈴虫(すずむし)を神さまにおさめます。また、拝殿(はいでん)では弓(ゆみ)、狂言(きょうげん)、お琴(こと)などを含め、さまざまな行事が行われます。
【関連記事】京都寺社の年中行事
梨木神社の御朱印
梨木神社の御朱印は、通常の御朱印のほかに、正月限定や萩まつり限定など、いくつかの限定御朱印があります。また、カラフルなオリジナル御朱印帳もありますので、ぜひ現地でチェックしてください。
梨木神社の参拝情報

梨木神社の参拝情報として以下内容を紹介します。ぜひお出かけ前にチェックしておきましょう。
- 梨木神社の拝観料や参拝時間
- 梨木神社の交通アクセス
- 梨木神社の駐車場情報
- 梨木神社の地図
梨木神社の拝観料や参拝時間
梨木神社は境内自由散策で、参拝時間は9時~17時(頃)です。都会の中にある静かな神社ですので、周辺の雰囲気とは異なり、のんびりとした時間が過ごせるでしょう。
梨木神社の交通アクセス
梨木神社への交通アクセスは、市バス「府立医大病院前(ふりついだいびょういんまえ)」バス停から徒歩約3分です。
電車の場合は、京阪(けいはん)電車「神宮丸太町駅(じんぐうまるたまちえき)」から徒歩約15分です。地下鉄を利用される場合は、「丸太町駅(まるたまちえき)」または「今出川駅(いまでがわえき)」からいずれも徒歩で約20分です。
梨木神社の駐車場情報
梨木神社の駐車場は月単位で契約している人のための駐車場です。そのため参拝時には利用できません。京都御苑の有料駐車場などにとめるか、公共交通機関を利用しましょう。
梨木神社の地図
梨木神社の住所は「〒602-0844 京都市上京区寺町通広小路上ル」です。地図を以下にて掲載しますので、参拝時の参考としてください。
【外部リンク】梨木神社
まとめ
梨木神社は明治時代に建てられた神社で、三条実万・三条実美を祀っています。比較的歴史は浅いのですが、京都三名水に数えられる染井や、縁結びのご利益がある愛の木など、有名な見どころがある神社です。隣にある京都御苑と合わせて、ぜひ立ち寄りましょう。
当記事と同じカテゴリーの他の記事は、以下リンクにまとめてありますので、宜しければクリックしてご覧になってください。
【カテゴリー】同じカテゴリーの他の記事をお読みになりたい場合は、京都の寺社100選【上京区】をご覧ください。