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京都の一休寺(いっきゅうじ)に行かれたことがありますでしょうか?一休寺は京都府京田辺市にあり、その名のとおり一休さんゆかりのお寺です。この記事では一休寺について詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
酬恩庵一休寺をご紹介
京都府京田辺市(きょうたなべし)に、一休さんゆかりのお寺があります。その名は酬恩庵一休寺(しゅうおんあんいきゅうじ)です。酬恩庵一休寺がどのようなお寺なのか、具体的に解説いたします。
一休さんが晩年を過ごしたお寺
一休さんアニメなどで親しみがありますが、実在の人物です。禅に通じたお坊さんのことを禅師(ぜんじ)と呼びますので、以降は一休禅師(いっきゅうぜんじ)と表現しますが、一休禅師は後小松天皇(ごこまつてんのう)の息子さんです。後小松天皇は時代で言うと室町時代の天皇で、ちょうど第100代の天皇です。
一休寺は、元々は鎌倉時代に大応国師(だいおうこくし)という僧侶が建てた妙勝寺というお寺だったんです。その妙勝寺が廃れていたのを見た一休禅師が再興ました。
禅を伝えられた大応国師(だいおうこくし)のご恩に酬(むく)いるっていう意味で、酬恩庵(しゅうおんあん)と名付けました。
今では一休さんにちなんで一休寺と呼ばれているので、酬恩庵一休寺と呼ばれています。そんな酬恩庵一休寺は、一休禅師が晩年を過ごしたお寺です。
酬恩庵一休寺の見どころ
酬恩庵一休寺には多くの見どころがあります。数ある見どころの中から、いくつかピックアップして紹介いたします。
庭園や襖絵が見事な方丈
酬恩庵一休寺は、方丈(ほうじょう)の周りに立派な庭園が有ります。方丈とは説法を行ったり、客人を通すなど多目的な建物のことで、その方丈の南側、東側、北側の三カ所に、ぞれぞれ雰囲気が異なる庭園が有るのです。
南側の庭は、広い枯山水庭園(かれさんすいていえん)で、江戸時代の典型的な禅寺の庭園です。
東側の庭は、大小の石が並んでいます。お釈迦様のお弟子さんで特に優れた16人のお弟子さん「十六羅漢(じゅうろくらかん)」になぞらえたとされています。
北側の庭は、およそ2メートルの巨大な石や、滝に見立てた石の組み方が特徴的なお庭です。
方丈内部は襖絵(ふすまえ)と一休禅師の木像が必見です。襖絵は狩野探幽(かのうたんゆう)が描いたものです。
現在付けられているのは複製画で、本物は宝物殿にあります。狩野探幽(かのうたんゆう)は二条城の襖絵(ふすまえ)を描いたことでも知られている絵師です。
木像は一休禅師の晩年のお姿で、ご自身の髪の毛とヒゲを植えたとされています。
室町時代に建てられた本堂
酬恩庵一休寺の本堂は、室町幕府の6代将軍である足利義教(あしかがよしのり)によって建てられました。この本堂は鎌倉時代初期から禅宗寺院で取り入れられ始めた唐様建築(からようけんちく)という様式で、山城・大和地方(京都府から奈良県にかけての南部地域)の唐様建築で最古の建物です。
本堂の中には本尊である釈迦如来坐像(しゃかにょらいざぞう)と、文殊菩薩像(もんじゅぼさつぞう)・普賢菩薩像(ふげんぼさつぞう)が祀(まつ)られています。
少年時代の一休さん像
酬恩庵一休寺の境内には少年時代の一休さん像があります。手に箒(ほうき)を持って掃除している姿で、「現在の世の中の汚れを一掃し、明るい世の中にしたい」との願いがこめられているそうです。
この橋渡るべからず
アニメなどで「このはし わたるべからず」の橋をご覧になったことがあるかも知れません。一休さんがトンチによって、端(はし)ではなく真ん中を歩いたあの橋です。
酬恩庵一休寺の橋にも「このはし わたるべからず」の立札があり、参拝者を笑顔にしてくれます。
貴重な物品が展示されている宝物殿
酬恩庵一休寺には、宝物殿(ほうもつでん)があり、一休禅師ゆかりの貴重な物品が展示されています。拝観料を払って参拝している人であれば、誰でも見学可能です。
茶室「虎丘庵」
酬恩庵一休寺には虎丘庵(こきゅうあん)という茶室があります。もともとは東山にありましたが、室町時代の大戦「応仁の乱(おうにんのらん)」のため、一休禅師74歳の時に移築しました。
虎丘庵を作ったのは、茶道の祖といわれる村田珠光(むらたじゅこう)だと伝わっています。虎丘庵は通常非公開ですが、梅が見ごろの2月と紅葉が見ごろの11月に特別拝観を行っています。
酬恩庵一休寺のお役立ち情報
酬恩庵一休寺のお役立ち情報として以下内容を紹介します。参拝前に確認しておきましょう。
- 酬恩庵一休寺は紅葉と新緑の名所
- 一休寺納豆は絶品
- お寺で充実したカフェタイムが過ごせる
- 酬恩庵一休寺の御朱印
- 酬恩庵一休寺の年中行事
酬恩庵一休寺は紅葉と新緑の名所
酬恩庵一休寺は紅葉の名所として知られています。入り口から拝観受付所までのアプローチは、美しい紅葉が見事な色づきを見せますし、また別な場所では絨毯(じゅうたん)のような緑の苔(こけ)に紅葉が映える場所もあります。
新緑の季節も美しいです。光輝く新緑は生命力を感じさせ、紅葉よりも好きだという人もいらっしゃいます。紅葉・新緑それぞれの名所です。
一休寺納豆は絶品
酬恩庵一休寺の名物として、一休寺納豆(いっきゅうじなっとう)があります。一休寺納豆は一休禅師が伝授し、数百年前から伝わっています。
しょっぱさと独特の香りが癖になり、お酒のアテとしてや、お茶漬けとの相性が抜群です。また、麻婆豆腐に入れるなど、調味料として使うこともできます。
お寺で充実したカフェタイムが過ごせる
酬恩庵一休寺の庫裏(くり)という建物では、お茶どころ南山城としてお抹茶席(まっちゃせき)があり、善哉(ぜんざい)を含めた喫茶メニューが用意されています。
一例をあげますと、お茶作り一筋「奥西緑芳園(おくにしろくほうえん)」のお抹茶や、デザイン豊かな干菓子(ひがし)で知られる「亀末廣(かめすえひろ)」の落雁(らくがん)があります。この落雁は「絹のしずく」とう名前で、一休寺納豆を使用した和菓子です。
また、あんこにこだわりを持つ「都松庵(としょうあん)」の都ぜんざいもおすすめです。夏には、一休寺納豆を使用した日世(にっせい)のソフトクリームが人気です。
静かなお寺の中で、美味しいスイーツを楽しみながら有意義なカフェタイムを過ごしましょう。
善哉の名は一休禅師に由来
実は、善哉(ぜんざい)の名前は一休禅師が美味しさのあまり「善(よ)き哉(かな)この汁」と言ったことに由来します。たくさんの小豆(あずき)と大きなお餅(もち)が入った、一休寺特製の善哉はぜひ食べましょう。
ちなみに、毎年1月最終日曜日には、1年の誓いの言葉を仏さまに献上する「一休善哉(ぜんざい)の日」という行事があります。
酬恩庵一休寺の御朱印
酬恩庵一休寺の御朱印は、「酬恩庵」と書かれた御朱印や「大応国師」の御朱印、「善哉」の御朱印などのほか、限定の御朱印もあります。
酬恩庵一休寺の年中行事
酬恩庵一休寺では、先述の善哉の日を含め、さまざまな行事がありますが、よく知られているのは「涅槃会(ねはんえ)」ではないでしょうか。
3月15日に行われ、方丈で南北朝時代・室町時代初期・江戸時代後期の3つの涅槃図(ねはんず)が公開されます。涅槃図とは、お釈迦様が亡くなる時の様子を描いた絵画です。
【関連記事】京都寺社の年中行事
酬恩庵一休寺の参拝情報
酬恩庵一休寺の参拝情報として以下内容を紹介します。ぜひお出かけ前にチェックしておきましょう。
- 酬恩庵一休寺の拝観料や参拝時間
- 酬恩庵一休寺のアクセス
- 酬恩庵一休寺の駐車場情報
- 酬恩庵一休寺の地図
酬恩庵一休寺の拝観料や参拝時間
酬恩庵一休寺の拝観料は、中学生以上の大人が500円、小人が250円です。拝観時間は9時~17時で、宝物殿は9時半~16時半となっています。
酬恩庵一休寺のアクセス
酬恩庵一休寺へは、JR「京田辺」駅から徒歩20分、近鉄「新田辺」駅から徒歩25分です。近鉄新田辺駅西口のバスロータリーから京阪バスに乗れば、「一休寺」か「一休ヶ丘」下車徒歩5分です。
酬恩庵一休寺の駐車場情報
酬恩庵一休寺には参拝者専用駐車場があり、乗用車は300円で駐車可能です。
酬恩庵一休寺の地図
酬恩庵一休寺の住所は「〒610-0341 京都府京田辺市薪里ノ内102」です。地図を以下にて掲載しますので、参拝時の参考としてください。
【外部リンク】酬恩庵一休寺
まとめ
酬恩庵一休寺は、一休禅師ゆかりのお寺で、一休禅師の木像のほか、庭園や襖絵、仏像などさまざまな見どころがあります。
また、紅葉・新緑の名所でもあるほか、精進料理や善哉、一休寺納豆など参拝者が喜ぶことが多いお寺です。周辺に行ったついでではなく、わざわざ行く価値がありますので、食事も含めての参拝をおすすめします。
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