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上御霊神社(かみごりょうじんじゃ)をご存知でしょうか?上御霊神社は京都市上京区にある神社で、室町時代の大戦である応仁の乱(おうにんのらん)が始まった地としても知られています。この記事で詳しく解説しますので、参考にしてください。
上御霊神社の歴史や見どころをご紹介
上御霊神社(かみごりょうじんじゃ)という名前は、中京区にある下御霊神社(しもごりょうじんじゃ)に対するもので、正しくは御霊神社(ごりょうじんじゃ)です。まずはその歴史や見どころから解説いたします。
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上御霊神社の歴史
平安京に都が遷(うつる)前から、この地に勢力を持っていた出雲氏(いずもし)という一族がいました。その出雲氏ゆかりのお寺「上出雲寺」の守り神だったと伝わります。
また、桓武天皇(かんむてんのう)が平安京に都を遷(うつ)す際に、早良親王(さわらしんのう)〈崇道天皇(すどうてんのう)〉らの怨霊(おんりょう)をしずめるために始まったなど、諸説あるようです。
早良親王(さわらしんのう)は、平安京に都をうつした桓武天皇(かんむてんのう)の弟です。平安京に都をうつす前に長岡京に都がうつされていますが、その時の責任者である藤原種継(ふじわらたねつぐ)が殺されました。
捕まった犯人の背後には早良親王(さわらしんのう)がいたとして、厳しく罪を責められたのです。早良親王は無実であると訴えながら島流しされる途中で亡くなりました。
天災や疫病(えきびょう)の発生を、怨み(うらみ)を持って亡くなった怨霊(おんりょう)のしわざと考え、それをしずめて平穏を実現しようとすることを「御霊信仰(ごりょうしんこう)」と言いますが、この御霊信仰の高まりにより、上御霊神社は広く信仰されるようになりました。
上御霊神社の見どころ
上御霊神社の見どころについて、いくつかピックアップして紹介いたします。
応仁の乱古戦場
上御霊神社の境内(けいだい)はかつて「御霊の杜(ごりょうのもり)」と呼ばれ、室町時代の大戦である「応仁の乱(おうにんのらん)」が始まった場所として知られています。
応仁の乱は1467年にこの地で起こり、室町幕府で管領(かんれい)という高い地位だった畠山氏(はたけやまし)の家督争いが原因です。
それが足利将軍家や守護大名(しゅごだいみょう)を巻き込んで、幕府を東西2つに分ける大きな戦いとなりました。結果的に11年にもわたる戦いとなり、戦国時代に移行した原因の1つだといわれています。
本殿
上御霊神社の本殿(ほんでん)は、1733年(江戸時代)に寄付された御殿(ごてん)を、昭和45年に復元したもので、屋根のカーブが独特で美しい形をしています。上御霊神社を訪れたら、本殿でしっかり参拝しましょう。
南門
電車で上御霊神社神社を訪れた人は、おそらく西門をくぐることになります。しかし、南門の見学もおすすめです。
上御霊神社の南門は四脚門(しきゃくもん)といい、伏見城の四脚門が移築されたと伝わります。たいへん立派な姿ですので、ぜひチェックしてください。
上御霊神社のお役立ち情報
上御霊神社のお役立ち情報として以下内容を紹介します。ぜひ参考にしてください。
- 上御霊神社のご利益
- 上御霊神社の御朱印やお守り
- 上御霊神社のお祭り
上御霊神社のご利益
上御霊神社のご利益は、厄除(やくよ)け、こころしずめ、家内安全などがあります。ほかのご利益も含めて以下にて紹介します。
ご利益 | 内容 |
厄除け | 厄払い、病気が治、交通安全、旅行安全 |
こころしずめ | 不安や怒り、心の悩み、ストレスなどをしずめる |
家内安全 | 一家みんなの安全や健康 |
家業繁栄 | 経営している人の繁栄 |
安産 | 無事に赤ちゃんが産まれる |
学業成就 | 勉強の目標が叶う |
書道上達 | 字がうまくなる |
唐板という煎餅は疫病除けのご利益あり
上御霊神社の前には水田玉雲堂(みずたぎょくうんどう)というお店があり、「唐板(からいた)」という煎餅(せんべい)が販売されています。
この煎餅は病気除(よ)けのご利益があるとされており、明治維新までは皇室は皇子(おうじ)が誕生するたびに上御霊神社に参拝し、唐板をお土産(みやげ)にしたそうです。500年以上続く伝統の味を、ぜひ楽しんでみてください。
上御霊神社の御朱印やお守り
上御霊神社の御朱印は、通常の御朱印と京洛八社集印巡り(きょうらくはっしゃしゅういんめぐり)の御朱印があります。
いずれも300円でいただけますが、京洛八社集印巡りの御朱印は、500円で色紙付きの御朱印をいただけます。上御霊神社にはオリジナル御朱印帳も用意されていますので、御朱印帳をお持ちでなければ購入すると良いでしょう。
また、上御霊神社には「こころしづめ守り」という珍しいお守りがあります。1,000円と割高に思えるかも知れませんが、大祓詞(おおはらえのことば)というありがたいお言葉が付いての金額です。ぜひ、唱(とな)えて心をしずめましょう。
上御霊神社のお祭り
上御霊神社では年間をとおしてさまざまな行事が行われますが、最も有名なのは御霊祭(ごりょうまつり)ではないでしょうか。
5月18日の神幸列(しんこうれつ)という行列では、美しい衣装をまとった子どもたち〈稚児(ちご)〉や、神さまに使える八乙女(やおとめ)という女の子たち、牛車(ぎっしゃ)なども登場します。
また、夕方に3基の神輿(みこし)が御所(ごしょ)の北にある朔平門(さくへいもん)に集まる姿は勇ましい雰囲気です。チャンスがあればぜひ見ていただきたいお祭りです。
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上御霊神社の参拝情報
上御霊神社の参拝情報として以下内容を紹介します。ぜひお出かけ前にチェックしておきましょう。
- 上御霊神社の拝観料や参拝時間
- 上御霊神社の交通アクセス
- 上御霊神社の駐車場情報
- 上御霊神社の地図
上御霊神社の拝観料や参拝時間
上御霊神社は境内自由散策可能で、参拝時間は9時~17時となっています。境内には上記で紹介した見どころ以外にも、小さな神社がたくさんありますので、ぜひ時間にゆとりを持って参拝しましょう。
・神明神社
・稲荷神社
・厳島神社
・花御所八幡宮
・大舞神社
・天満宮社
・多度神社
・貴船神社
・粟島神社
・白髪神社
・長宮三十社
上御霊神社の交通アクセス
上御霊神社への交通アクセスは、地下鉄「鞍馬口駅(くらまぐちえき)」から徒歩3分です。叡山電鉄の鞍馬駅(くらまえき)と間違えると、全然違う場所に行ってしまうので、地下鉄の駅だと認識しておきましょう。
上御霊神社の駐車場情報
上御霊神社には10台ほどがとめられる無料駐車場があります。そのため、マイカーでの参拝も便利です。
上御霊神社の地図
上御霊神社の住所は「京都市上京区上御霊前通烏丸東入上御霊竪町495番地」です。地図を以下にて掲載しますので、参拝時の参考としてください。
【外部リンク】御靈神社(上御霊神社)
まとめ
上御霊神社は御霊信仰の高まりによって広く信仰された神社で、心しずめの神社として知られています。応仁の乱が始まった地でもあり、参拝すると歴史の年輪を感じられます。ぜひ古くから存在する上御霊神社を参拝し、心おだやかに過ごしましょう。
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