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北野天満宮(きたのてんまんぐう)に行ったことはありますか?学問の神さまとして知られる北野天満宮は、学問以外にも多くのご利益があるほか、天神さんの七不思議など多くの見どころがあります。その魅力を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
北野天満宮の歴史や見どころをご紹介
北野天満宮(きたのてんまんぐう)は菅原道真(すがわらのみちざね)を祀(まつ)っている神社です。菅原道真は平安時代の貴族であり政治家および学者で、右大臣(うだいじん)という高い地位にまで上り詰めた人です。
左大臣(さだいじん)とう地位だった藤原時平(ふじわらのときひら)の告げ口により謀反(むほん)の疑いがかけられ、九州の大宰府(だざいふ)というところに左遷されました。
亡くなってから怨霊(おんりょう)になったと考えらてたことで、天神(てんじん)さまとして祀(まつ)られ、信仰の対象となりました。
全国各地に菅原道真を祀(まつ)っている神社は1万2,000社ほどあると言われていますが、その大元が北野天満宮なのです。
北野天満宮の歴史
菅原道真が祀(まつ)られるようになったのは、道真の乳母(うば)である多治比文子(たじひのあやこ)へのお告げだったとのことです。
947年(平安時代)に道真から多治比文子(たじひのあやこ)へのお告げがあり、北野という地域に道真が祀(まつ)られました。
また、平野宮(ひらのみや)という滋賀県の神社に、神良種(みわのよしたね)という神官がいたのですが、その息子である太郎丸にもお告げがあり、現在地に社殿(しゃでん)が建てられたとも伝えられています。
室町時代には、2人以上で和歌の上の句と下の句を読み合う「連歌(れんが)」の中心地となったほか、1587年(安土桃山時代)には豊臣秀吉によって「北野大茶湯(きたのおおちゃのゆ)」が行われました。
このお茶会では出雲阿国(いずものおくに)という女性芸能者が初めて歌舞伎(かぶき)を披露(ひろう)したため、歌舞伎発祥の地(かぶきはっしょうのち)とも言われています〈※南座(みなみざ)の近くが歌舞伎発祥の地という説もあります〉。
北野天満宮の見どころ
北野天満宮は見どころが多い神社ですが、その中から特におすすめをピックアップいたします。
コンプリートしたい天神さんの七不思議
北野天満宮には古くから伝わる7つの不思議があります。これらを探しながら参拝すると、楽しく有意義な時間が過ごせるでしょう。それぞれの内容について以下にまとめます。
北野天満宮の七不思議 | |
①影向松(ようごうのまつ) | 北野天満宮の正面入り口にある大鳥居(おおとりい)右側に、1本の大きな松が立っています。 この松は影向松(ようごうのまつ)と呼ばれている松で、北野天満宮ができた時から存在するそうです。 季節の節目で立冬(りっとう)から立春(りっしゅん)の前日までに初雪が降ると、天神さまがこの松に現れて、雪見をしながら詩をよむという伝説があります。 |
②筋違いの本殿(すじちがいのほんでん) | 通常の神社とは違って、参道の正面に本殿(ほんでん)がありません。参道の正面には地主神社が建てられています。 もともとこの地には地主神社があり、のちに菅原道真を祀(まつ)る社殿が建てられたため、本殿は地主社の正面を避けて建てらています。 |
③星欠けの三光門(ほしかけのさんこうもん) | 北野天満宮の本殿前にある「三光門(さんこうもん)」は、日・月・星の彫刻に由来していますが、星は実物の北極星(ほっきょくせい)のことで、実際には彫刻されていないという説があります。 そのことから「星欠けの三光門」と呼ばれています。平安時代当時の御所の場所から、天皇が北野天満宮に向かってお祈りすると、丁度三光門の上に北極星があると伝わっています。
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④大黒天の燈籠(だいこくてんのとうろう) | 三光門の東南に、大黒さまの像が特徴的な石灯籠(いしどうろう)があります。 この大黒さまの口に小石を入れて落ちなかった場合、その小石を財布に入れることで、お金に困らないといわれています。また、「落ちない」ことから受験生にも人気です。 |
⑤唯一の立ち牛(ゆいいつのたちうし) | 北野天満宮には多くの牛の像がありますが、拝殿(はいでん)の彫刻だけ牛が立った姿をしています。 |
⑥裏の社(うらのやしろ) | 神社は前から拝むのが一般的ですが、北野天満宮の本殿は、背面にも拝む場所があります。 そこには、道真のご先祖様の天穂日命(あめのほのみこと)、祖父の菅原清公(すがわらのきよきみ)、父の菅原是善(すがわらのこれよし)が祀(まつ)られています。 |
⑦天狗山(てんぐやま) | 北野天満宮の北西角に、天狗山とよばれる小さな山があります。室町時代に描かれた「社頭古絵図(しゃとうこえず)」には、個性的な烏天狗(からすてんぐ)が登場し、もしかすると大昔には天狗が現れたのかも知れないと想像させてくれる場所です。 |
伴氏社の鳥居
北野天満宮の参道には、伴氏社(ともうじしゃ)があります。菅原道真の母である伴氏(ともうじ)をまつる神社で、鎌倉時代に建てられた鳥居(とりい)が有名です。
神社の名前が書かれた額を掲(かか)げる部分の形状が変わっており、京都御苑(ぎょえん)内の厳島神社(いつくしまじんじゃ)の唐破風(からはふ)鳥居と、蚕ノ社(かいこのやしろ)の三鳥居(みつどりい)とともに、京都三珍鳥居(きょうとさんちんとりい)の1つに数えられています。
【関連記事】蚕ノ社は三鳥居で有名な神社【京都の寺社100選】(右京区)
御土居の紅葉と青もみじ
豊臣秀吉は天下統一を成し遂げたあと、京都を外敵や水害から守るため、「御土居(おどい)」という土の堤防(ていぼう)を築きました。
京都の中心部をぐるっと囲む1周約22.5キロメートルの御土居は、今でも数カ所で一部が残っています。北野天満宮の境内にも御土居の一部が残っており、約350本の紅葉が存在します。
春は緑がさわやかな新緑(しんりょく)、秋は燃えるような紅葉を楽しめ、シーズンになると多くの参拝者で賑わいます。
梅が見事に咲き誇る梅苑
菅原道真は梅(うめ)と深い関係があります。邸宅(ていたく)の庭の前に梅があったり、梅の花にまつわる和歌や詩を道真はいくつもよんでいます。
北野天満宮には梅が50種類・約1,500本あり、シーズンになると美しく咲き誇ります。年末にふくらんだつぼみが、正月明けから開花し、順次咲いていって3月末ごろまで楽しめます。
2月初旬から3月下旬に公開される梅苑(ばいえん)は、ため息がもれるほど美しいので、ぜひ一度見学されることをおすすめします。
北野天満宮のお役立ち情報
北野天満宮のお役立ち情報として以下内容を紹介します。ぜひ参考にしてください。
- 北野天満宮のご利益
- 北野天満宮と牛の関係
- 北野天満宮の御朱印
- 北野天満宮の年中行事
北野天満宮のご利益
菅原道真は学問の神さまとして有名で、受験の合格を願って全国各地から多くの参拝者が訪れます。なぜ学問の神さまといわれているのかは、菅原道真が5歳で和歌を読み、11歳で中国の伝統的な詩である漢詩を読んだからです。14歳~15歳の頃には天才と言われていました。
また、江戸時代には寺子屋(てらこや)という塾のような教育期間が普及し、菅原道真に書道の上達と学業成就(がくぎょうじょうじゅ)を祈ったことから、学問の神さまとして信仰されるようになったのです。
ちなみに、学問のご利益だけでなく、厄除け(やくよけ)、災難除け(さいなんよけ)のご利益や、無実の罪に泣く弱者を救ってくださるなど、数えきれないほどのご利益があるとされています。
北野天満宮と牛の関係
菅原道真が牛と関わりが深いため、北野天満宮には多くの牛の像が祀(まつ)られています。菅原道真と牛にまつわる伝説としては以下のようなものがあります。
・菅原道真が大宰府に向かう途中、暗殺者に襲われた時に、可愛がっていた牛が突然現れて暗殺者を追い払った。 |
・亡くなった菅原道真の柩(ひつぎ)を牛車(ぎゅうしゃ)に乗せて出発したところ、突然牛が座って動かなくなった。ここにご遺体(いたい)を埋めよという遺志(いし)だろうと、近くの安楽寺(今の太宰府天満宮)に埋葬(まいそう)したと伝わる。 |
また、846年(平安時代)に産まれた菅原道真は丑年(うしどし)で、亡くなった903年(平安時代)も丑年(うしどし)というのも、牛との関わりの深さの1つです。
北野天満宮の御朱印
北野天満宮の御朱印は以下のものがあります。
梅の神紋の御朱印 |
文道大祖の御朱印 |
和魂漢才の御朱印 |
至誠の御朱印 |
いずれも300円でいただけるほか、限定の御朱印もタイミングによって登場します。
また、オリジナル御朱印帳も扱われており、梅の花をモチーフにした御朱印帳や、梅の木をモチーフとした御朱印帳など、複数の御朱印帳を取り扱っています。
北野天満宮の年中行事
北野天満宮では年間をとおして多くの行事が行われますが、最も有名なのが毎月25日に行われる「天神さんの日」です。
6時頃から21時頃まで露店(ろてん)が立ち並び、暗くなってからは境内がライトアップされます。早朝のピンとした空気の時に行くのもよし、お昼の賑わいを楽しむのもよし、夜の幻想的な雰囲気を味わうのもよし、いつ行っても有意義な時間を過ごせます。
ちなみに1月25日は初天神(はつてんじん)、12月25日は終い天神(しまいてんじん)と呼ばれ、通常の天神さんの日よりも多くの人が訪れます。
【関連記事】京都寺社の年中行事
北野天満宮の参拝情報
北野天満宮の参拝情報として以下内容を紹介します。ぜひお出かけ前にチェックしておきましょう。
- 北野天満宮の拝観料や参拝時間
- 北野天満宮の交通アクセス
- 北野天満宮の駐車場情報
- 北野天満宮の地図
北野天満宮の拝観料や参拝時間
北野天満宮は境内自由散策可能です。ただし、梅苑やもみじ苑、宝物館(ほうもつかん)などが公開されるシーズンは、それぞれの入り口で料金が必要です。開門時間は5時~18時で、10月~3月は5時半~17時半となっています。
北野天満宮の交通アクセス
北野天満宮への交通アクセスは、市バス「北野天満宮前」からすぐです。また電車でのアクセスは、嵐電(らんでん)「北野白梅町(きたのはくばいちょう)駅」より徒歩約5分です。
北野天満宮の駐車場情報
北野天満宮には、参拝者無料の駐車場があります。ただし、毎月25日の天神さんの日は駐車できませんので、公共交通機関を利用しましょう。
北野天満宮の地図
北野天満宮の住所は「〒602-8386 京都市上京区馬喰町 北野天満宮社務所」です。地図を以下にて掲載しますので、参拝時の参考としてください。
【外部リンク】北野天満宮
まとめ
北野天満宮は菅原道真を祀(まつ)っており、学問のご利益で有名です。そのため、多くの受験生が合格祈願に訪れる神社です。境内には多くの見どころがあり、天神山の七不思議や御土居など見ごたえたっぷりです。また、美しい梅、新緑、紅葉など、季節感のある神社でもあります。ぜひ各シーズンごとに参拝してください。
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