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妙心寺(みょうしんじ)に行かれたことがありますか?妙心寺は塔頭(たっちゅう)寺院という小型のお寺が40を超え、組織運営が得意だといわれています。この記事では妙心寺について詳しく紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
妙心寺の歴史や見どころをご紹介
妙心寺(みょうしんじ)は京都市右京区の花園(はなぞの)という地域にあり、40以上の塔頭(たっちゅう)が集まっているお寺です。そんな妙心寺の歴史や見どころについて紹介いたします。
妙心寺の歴史
妙心寺は臨済宗(りんざいしゅう)という宗派の妙心寺派(みょうしんじは)の大本山(だいほんざん)です。
花園法皇(はなぞのほうおう)〈天皇在位::1308年(鎌倉時代)~1318年(鎌倉時代)〉の願いにより、花園という地にあった離宮(りきゅう)〈皇居以外の宮殿〉を禅寺(ぜんでら)として開かれました。
室町時代には「応仁の乱(おうにんのらん)」という大戦によって荒れてしまいましたが、雪江宋深(せつこうそうしん)というお坊さんが、細川勝元(ほそかわかつもと)という武将・大名らの援助によって復興させました。
その後、雪江宋深(せつこうそうしん)の弟子たちにより「龍泉派(りょうせんは)」「東海派(とうかいは)」「霊雲派(れいうんは)」「聖澤派(しょうたくは)」の4つの派となりました。
江戸時代には優秀なお坊さんを多数生み出しています。現在の妙心寺は、46の塔頭(たっちゅう)があるほか、支配下のお寺は国内外で3,400寺ほど、在籍しているお坊さんは約7千人を数えます。
妙心寺の見どころ
妙心寺は見どころの多いお寺です。数ある見どころからいくつかおすすめを紹介します。
重要文化財の仏殿
妙心寺の仏殿(ぶつでん)は、江戸時代に建てられたお堂で、重要文化財(じゅうようぶんかざい)に指定されています。
ご本尊(ほんぞん)として釈迦如来(しゃかにょらい)を祀(まつ)り、毎朝のお勤めが行われるほか、お釈迦様に関する行事が行われます。ちなみに妙心寺の本堂(ほんどう)はこの仏殿です。
雲龍図が見事な法堂
妙心寺の法堂(はっとう)も江戸時代に建てられました。法堂とはカンタンにいうと多目的ホールです。天井の雲龍図(うんりゅうず)は立派で、狩野探幽(かのうたんゆう)によって描かれました。
完成まで8年かかったことがうなずける、立派な龍が描かれています。法堂も重要文化財に指定されています。
江戸時代に建てられた大方丈
大方丈(おおほうじょう)も江戸時代に建てられたお堂で、重要文化財に指定されています。行事を行う時の控室(ひかえしつ)で、食事の場ともなる大広間です。
明智光秀を弔うために建てられた浴室
浴室(よくしつ)も江戸時代に建てられた重要文化財で、密宗和尚(みっそうおしょう)が明智光秀(あけちみつひで)を弔(とむら)うために建てたといわれています。
密宗和尚(みっそうおしょう)は妙心寺塔頭の大嶺院(だいりょういん)のお坊さんで、明智光秀の叔父(おじ)にあたります。妙心寺の浴室は通称「明智風呂(あけちぶろ)」と呼ばれています。
塔頭の退蔵院は庭園が見事
妙心寺の数ある塔頭の中から、特におすすめが退蔵院(たいぞういん)です。退蔵院は国宝「瓢鮎図(ひょうねんず)」で知られるお寺で、600年以上の歴史があるお寺です。
名勝庭園(めいしょうていえん)の元信の庭や、池泉回遊式庭園(ちせんかいゆうしきていえん)「余香苑(よこうえん)」はそれぞれ違った味わいで、こじんまりした入り口からは想像ができないくらい立派です。
春は紅枝垂れ桜(べにしだれざくら)、秋は紅葉を含め、多くの草花に囲まれているので、四季折々(しきおりおり)いつでも楽しめるでしょう。
妙心寺のお役立ち情報
妙心寺のお役立ち情報として以下内容を紹介します。ぜひ参考にしてください。
- 妙心寺は算盤面
- 妙心寺の御朱印
- 妙心寺の年中行事
妙心寺は算盤面
お寺の特徴を言い表したものとして、「〇〇面(づら)」という呼び方があります。たとえば、建仁寺(けんにんじ)は詩や文芸などが得意なお坊さんを生み出し、「五山文学(ござんぶんがく)」という文芸を作り出したので「建仁寺の学問面(がくもんづら)」といいます。
大徳寺(だいとくじ)は茶の湯文化と縁が深く「大徳寺の茶面(ちゃづら)」といいます。このような呼び方の中で、南禅寺は武家の信者が多くて繁栄したため、「南禅寺の武家面(ぶけづら)」といわれました。
妙心寺は組織運営が上手なので「算盤面(そろばんづら)」と呼ばれます。その他の言い表しは以下にまとめます。
「〇〇面(づら)」 | |
南禅寺の武家面(ぶけづら) | 武家の信者が多くて繁栄した |
相国寺(しょうこくじ)の声明面(しょうみょうづら) | お経などが美しい |
建仁寺の学問面(がくもんづら) | 詩や文芸などが得意なお坊さんを輩出 |
東福寺(とうふくじ)の伽藍面(がらんづら) | お寺の建物が立派。25の塔頭(たっちゅう)を有する |
大徳寺の茶面(ちゃづら) | 茶の湯文化と縁が深い |
妙心寺(みょうしんじ)の算盤面(そろばんづら) | 組織運営が得意 |
妙心寺の御朱印
妙心寺では「釈迦如来」と書かれた御朱印や、特別公開時の御朱印、各塔頭(たっちゅう)寺院の御朱印など、ちょっと数えるだけで30種類を超える御朱印があります。
オリジナル御朱印帳も扱われています。妙心寺と塔頭だけで多くの御朱印が集まるので、妙心寺専用としてオリジナル御朱印帳をゲットしても良いでしょう。
妙心寺の年中行事
妙心寺では年間を通してさまざまな行事が行われます。その中から8月に行われる「お精霊迎え(おしょうらいむかえ)」を紹介します。
「お精霊迎え(おしょうらいむかえ)」は、ご先祖様がこの世に帰ってこられることをお迎えする行事です。8月9日と10日の朝6時から夜10時まで行われ、迎え鐘(むかえがね)というお迎えの鐘がつかれます。これにより、ご先祖様が迷わずに帰れるよう合図します。
また、法堂(はっとう)では和尚(おしょう)さんが、亡くなった方の塔婆(とうば)という木の板を書いてくれます。境内では年に一度の縁日として、たこ焼きやくじ引きなど、いろいろなお店が出されます。
【関連記事】京都寺社の年中行事
妙心寺の参拝情報
妙心寺の参拝情報として以下内容を紹介します。ぜひお出かけ前にチェックしておきましょう。
- 妙心寺の拝観料や参拝時間
- 妙心寺の交通アクセス
- 妙心寺の駐車場情報
- 妙心寺の地図
妙心寺の拝観料や参拝時間
妙心寺の境内は自由に散策できますが、法堂と大庫裏(くり)は大人700円、小中学生400円が必要です。拝観時間は9時10分~15時40分で、3月~10月は16時40分までとなっています。
妙心寺の交通アクセス
妙心寺への交通アクセスは、JR「花園駅(はなぞのえき)」から徒歩約10分、嵐電(らんでん)「妙心寺駅(みょうしんじえき)」から徒歩約5分です。
市バスや京都バスで行かれる場合は「妙心寺前(みょうしんじまえ)」バス停から徒歩3分です。
妙心寺の駐車場情報
妙心寺の東側には、第一駐車場と第二駐車場があり、有料でとめられます。ただ、参拝者や花園会館を利用の場合は無料でとめることができます。
妙心寺の地図
妙心寺の住所は「〒616-8035 京都府京都市右京区花園妙心寺町1」です。地図を以下にて掲載しますので、参拝時の参考としてください。
【外部リンク】日本最大の禅寺|京都花園 臨済宗大本山 妙心寺 公式サイト
まとめ
妙心寺は塔頭寺院が40以上もある大寺院で、国内外に支配下のお寺がたくさんあります。妙心寺の算盤面といわれるほどの組織運営の上手さは、組織の大きさからも見て取れます。見どころの多いお寺でもありますので、ぜひ参拝してください。
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