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神泉苑(しんせんえん)をご存知ですか?神泉苑は宴(うたげ)を開いて楽しむ「宴遊地(えんゆうち)」で、歴代の天皇もお出ましになりました。現在は東寺真言宗(とうじしんごんしゅう)という宗派のお寺です。詳しく解説しますので参考にしてください。
神泉苑の歴史や見どころをご紹介
神泉苑(しんせんえん)は、歴代天皇もお出ましになった宴遊地(えんゆうち)〈宴(うたげ)を開いて楽しむところ〉で、空海(くうかい)というお坊さんが雨ごいををしたところでもあります。
そんな神泉苑の歴史や見どころから紹介いたします。
神泉苑の歴史
神泉苑は794年(平安時代)に、桓武天皇(かんむてんのう)<在位:781年(奈良時代)~806年(平安時代)>によってつくられました。その際は皇居の庭でしたが、現在は東寺真言宗(とうじしんごんしゅう)という宗派のお寺です。
中国の皇居の庭にならってつくられ、歴代天皇がこの地で宴(うたげ)を楽しまれました。鎌倉・室町時代以降は荒れてしまい、1602年(安土桃山時代)には二条城のお堀(ほり)がつくられたことにより、敷地が縮小されています。
江戸時代に快雅(かいが)というお坊さんが復興してから真言宗のお寺となりました。皇居の庭だったからか、優雅(ゆうが)な雰囲気のお寺となっています。
神泉苑の見どころ
神泉苑の見どころについて、いくつかピックアップして紹介します。
空海にゆかりある善女龍王社
神泉苑には法成就池(ほうじょうじゅいけ)という広い池があり、善女龍王社(ぜんにょりゅうおうしゃ)は中央の島に存在します。
善女龍王(ぜんにょりゅうおう)という神さまが池の中にいらっしゃるといわれており、空海(くうかい)が雨ごいをしたことで知られています。
神泉苑は824年(平安時代)に、西寺(さいじ)の守敏(しゅびん)というお坊さんと、東寺(とうじ)の空海が雨ごいを競い、空海が勝ったことから東寺の管轄(かんかつ)となったと伝わります。
ちなみに、善女龍王は空海が雨ごいのために北インドから招いた神さまです。
法成橋
善女龍王社(ぜんにょりゅうおうしゃ)に渡る法成橋(ほうじょうばし)は人気スポットです。朱色(しゅいろ)で丸みのあるこの橋は、願い事を念じながら善女竜王に参拝すると、その願いが叶うといわれています。
多くの願い事をするのではなく、1つに絞(しぼ)って念じながら橋を渡りましょう。
恵方社
神泉苑にある恵方社(えほうしゃ)は、毎年向きが変わることで知られています。というのも恵方社は、その歳に縁起が良い方角である「恵方(えほう)」を指しており、毎年大晦日(おおみそか)に方向を変えられているのです。
恵方には歳徳神(としとくじん)という神さまがいらっしゃって、その方角にお参りすると願いが叶うとされています。
アヒル
神泉苑には数羽のかわいいアヒルがいます。池の中で気持ちよさそうに泳いだり、境内(けいだい)を堂々と歩いたりする姿は、見ていてとても和みます。参拝したらぜひアヒルたちにも挨拶しておきましょう。
神泉苑のお役立ち情報
神泉苑のお役立ち情報として以下内容を紹介します。ぜひ参考にしてください。
- 神泉苑と祇園祭
- 神泉苑の御朱印
- 神泉苑の年中行事
神泉苑と祇園祭
863年(平安時代)は病気がたいへん流行し、それをおさめるために神泉苑で御霊会(ごりょうえ)という行事が行われました。
御霊会(ごりょうえ)ではお経が読まれたり、舞や演奏が行われたり、いろいろな芸が披露(ひろう)されたりしました。民衆(みんしゅう)にも開放され、天皇もご覧になられたとのことです。
大地震や富士山の噴火など全国的に災いが続く中で、869年(平安時代)には当時の全国の国と同じ66本の鉾(ほこ)を立て、八坂神社(やさかじんじゃ)から神泉苑に神輿(みこし)を送って災いを払(はら)いました。
これが後に町の人々の祭として、鉾に車輪をつけて京の街を行列する祇園祭となったのです。祇園祭は京都三大祭(きょうとさんだいまつり)の1つに数えられています。
神泉苑の御朱印
神泉苑では以下御朱印帳を頂けます。
善女龍王殿の御朱印 |
聖観音菩薩の御朱印 |
不動明王の御朱印 |
平安京聖蹟の御朱印 |
弁財天の御朱印 |
鵜丸の御朱印 |
恵方社の御朱印 |
義経公の御朱印 |
静御前の御朱印 |
このほか、限定の御朱印も数種類あります。神泉苑の御朱印は300円なのですが、金色の特殊な墨で書いてもらうこともでき、この場合は500円となります。
オリジナル御朱印帳も用意されており、法成橋(ほうじょうばし)などがデザインされている御朱印帳が4色(赤・青・紫・緑)、竹内栖鳳(たけうちせいほう)という画家の絵がデザインされている御朱印帳などもあります。
神泉苑の年中行事
神泉苑では毎年5月2日から4日まで「神泉苑祭(しんせんえんさい)」が行れます。神泉苑祭では善女龍王社の拝殿(はいでん)に神輿(みこし)を祀(まつ)り、境内(けいだい)に3本の剣鉾(けんぼこ)を立てて行う善女龍王社の祭りです。
さまざまな行事が行われる中、5月3日の夕方には法成橋(ほうじょうばし)の上で、白拍子(しらびょうし)姿をした静御前(しずかごぜん)の舞が演じられます。
白拍子とは男装して舞を披露する女性や子どものことです。ちなみに、神泉苑は源義経(みなもとのよしつね)と静御前(しずかごぜん)の出会いの地ともいわれています。
【関連記事】京都寺社の年中行事
神泉苑の参拝情報
神泉苑の参拝情報として以下内容を紹介します。ぜひお出かけ前にチェックしておきましょう。
- 神泉苑の拝観料や参拝時間
- 神泉苑の交通アクセス
- 神泉苑の駐車場情報
- 神泉苑の地図
神泉苑の拝観料や参拝時間
神泉苑は境内自由散策(無料)で、拝観時間は8時~20時です。
神泉苑の交通アクセス
神泉苑への交通アクセスは、市バス「神泉苑前(しんせんえんまえ)」からすぐです。また、JR・地下鉄「二条駅(にじょうえき)」から徒歩約2分です。
神泉苑の駐車場情報
神泉苑には駐車場がありませんので、周辺の有料駐車場か公共交通機関を利用しましょう。
神泉苑の地図
神泉苑の住所は「京都市中京区御池通神泉苑町東入る門前町167」です。地図を以下にて掲載しますので、参拝時の参考としてください。
【外部リンク】神泉苑
まとめ
神泉苑は歴代天皇もお出ましになった宴遊地(えんゆうち)で、現在は東寺真言宗のお寺です。空海が雨ごいをしたことや、後に祇園祭に発展した行事が行われたことなど、歴史の中で重要な地でもあります。ぜひ境内の善女龍王社や法成橋、恵方社などを参拝した上で、かわいいアヒルにも会いましょう。
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