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京都の知恩院(ちおんいん)に行かれたことがありますでしょうか?立派な門や除夜の鐘(じょやのかね)、七不思議などが有名なお寺です。この記事では知恩院(ちおんいん)について詳しく紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
知恩院は法然が開いた浄土宗総本山!その歴史や見どころとは
知恩院(ちおんいん)は、東山区を代表するお寺の1つで、正しくは知恩教院大谷寺(ちおんきょういんおおたにでら)と言います。
浄土宗(じょうどしゅう)という宗派の総本山(そうほんざん)です。そんな知恩院の歴史や見どころについて紹介します。
知恩院の歴史
知恩院は、1175年(平安時代)に、浄土宗を開いた法然(ほうねん)というお坊さんが、坊舎(ぼうしゃ)という住居を建てたのが始まりです。
1234年(鎌倉時代)に、法然の霊を祭る「廟堂(びょうどう)」を、源智(げんち)というお坊さんが復興して大谷寺としました。これによりお寺の基礎が整いました。
1575年(室町時代)に、正親町天皇(おおぎまちてんのう)の命によって浄土宗の総本山となったのです。法然の姿をした像を安置している「御影堂(みえいどう)」は、1639年(江戸時代)に3代将軍の徳川家光が再建し、国宝に指定されています。
知恩院は、百万遍知恩寺(ひゃくまんべんちおんじ)や金戒光明寺(こんかいこうみょうじ)、清浄華院(しょうじょうけいん)とともに、浄土宗京都四ヶ本山(きょうとよんかじほんざん)に数えられています。
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知恩院の見どころ
知恩院は見どころの多いお寺です。数ある見どころの中からぜひご覧いただきたいものを3つ紹介します。
知恩院の三門
知恩院は国宝である巨大な三門(さんもん)が有名です。西側の入り口にそびえ立っている門のことで、3つの門を1つの門として連ねているので三門と呼ばれています。
知恩院の三門は1621年(江戸時代)に、2代将軍の徳川秀忠(とくがわひでただ)の命令で建てられました。高さは24メートル、横が50メートルの巨大な門で、木造の門としては国内最大級です。
三門の上部にある仏堂(ぶつどう)という空間には、宝冠釈迦牟尼仏(ほうかんしゃかむにぶつ)や十六羅漢(じゅうろくらかん)などの仏像が並んでおり、内部は鮮やかな色を何色も使った「極彩色(ごくさいしき)」で描かれています。
また、下記にて紹介する七不思議の1つ「白木の棺(しらきのひつぎ)」があります。知恩院の三門は普段入ることはできず、特別に公開される時だけ入ることができます。
そんな知恩院の三門は、東福寺の三門、南禅寺の三門とともに京都の三大三門(さんだいさんもん)と呼ばれています。
知恩院の除夜の鐘
知恩院には、大鐘楼(だいしょうろう)があり、巨大な釣鐘(つりがね)がかかっています。つまり、お寺で「ゴーン」とつく大きな鐘(かね)のことです。
知恩院の釣鐘(つりがね)は1678年(江戸時代)に作られ、高さが3.3メートル、直径2.8メートル、重さ約70トンと超巨大です。
この鐘(かね)は、4月に行われる「法然上人の御忌大会(ほうねんしょうにんのぎょきだいえ)」という行事の時と、大晦日(おおみそか)の除夜の鐘(じょやのかね)の時、毎年12月27日の除夜の鐘の試し撞き(ためしつき)の時です。
除夜の鐘の時(試し撞きの時も)には、17人のお坊さんが撞き、その様子はダイナミックです。ただし、除夜の鐘には多くの参拝者でごった返していますので、大混雑覚悟で行く必要があります。
知恩院の七不思議
知恩院には古くから伝わる「七不思議」があります。以下にてカンタンに紹介します。
知恩院の七不思議 | |
1.鴬張りの廊下(うぐいすばりのろうか) | 御影堂(みえいどう)から集会堂(しゅうかいどう)、大方丈(だいほうじょう)、小方丈(しょうほうじょう)までの、全長550メートルの廊下(ろうか)。歩くと鶯(うぐいす)の鳴き声のような音が出る。 |
2.白木の棺(しらきのひつぎ) | 三門上部に安置された棺。三門を作るように命令された五味金右衛門(ごみきんえもん)夫婦の木像が納められている。工事の予算をオーバーした責任で、自害した夫婦を弔うためにこの場所に置かれている。 |
3.忘れ傘(わすれがさ) | 御影堂(みえいどう)の屋根の裏側にある傘。伝説的な彫刻職人(ちょうこくしょくにん)である左甚五郎(ひだりじんごろう)が魔除けのために置いたとのこと。また、白狐が住み家を作ってもらったお礼に知恩院を守る傘を置いたという説もある。 |
4.抜け雀(ぬけすずめ) | 大方丈(だいほうじょう)という建物の「菊の間(きくのま)」という部屋に、狩野信政(かのうのぶまさ)が描いた襖絵(ふすまえ)がある。この襖絵(ふすまえ)に描かれた雀(すずめ)たちが、あまりにうまく描かれていたため、生命を受けて飛び去ったといわれている。
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5.三方正面真向の猫(さんぽうしょうめんまむかいのねこ) | 方丈(ほうじょう)という建物の廊下の戸には、狩野信政(かのうのぶまさ)が描いた猫がいる。この猫はどこから見ても、見た人を正面から睨んで(にらんで)いるように見える。 |
6.大杓子(おおひしゃく) | 大方丈(だいほうじょう)という建物の入口で、大きな杓子(ひしゃく)が天井に置かれている。長さ2.5メートル、重さ約30キロと巨大。 |
7.瓜生石(うりゅうせき) | 知恩院西側の路上には、柵がめぐらされた石がある。この石にたった一晩で瓜(うり)が実り、「牛頭天王(ごずてんのう)」の文字が記されていたので、牛頭天王(ごずてんのう)をまつる粟田神社(あわたじんじゃ)にこの瓜(うり)を納めたと伝わる。また、石の下には二条城まで続く抜け道があるなど、さまざまな説がある不思議な石。 |
知恩院のお役立ち情報
知恩院のお役立ち情報として、以下内容を紹介します。ぜひ参考にしてください。
- 知恩院の桜や紅葉
- 知恩院の御朱印
- 知恩院のお土産
- 知恩院のイベント・年中行事
知恩院の桜や紅葉
知恩院は、春は桜、秋は紅葉が美しく、多くの参拝者でにぎわいます。三門の左右に咲く桜や、石段脇の桜のほか、敷地内に約210本の桜が咲き誇り、春の京都を楽しめます。
秋の紅葉は、イロハモミジやケヤキなどを味わうことができ、特に方丈にある庭園や、友禅苑(ゆうぜんえん)という庭園の紅葉は見事です。見ごろの時期にはライトアップイベントも行われ、多くの人を魅了します。
知恩院の御朱印
知恩院の御朱印は、朱印所にて書いてもらえます。通常は「法然上人(ほうねんしょうにん)」「御詠歌(ごえいか)」「勢至菩薩(せいしぼさつ)」の3種類があります。
「法然上人(ほうねんしょうにん)」は浄土宗を開いたお坊さんで、御朱印にはそのまま「法然上人」の文字が書かれます。
「御詠歌(ごえいか)」は仏教の教えを歌にしたもので、御朱印では「草も木も枯れたる 野辺にただひとり 松のみ残る弥陀の本願」と書かれます。
その意味は「草も木も枯れてしまった野にあっても、松が緑を失わないように、このすさんだ世の中でも阿弥陀様(あみださま)の教えだけはいつまでもなくなることはありません。」です。
「勢至菩薩(せいしぼさつ)」は、智慧(ちえ)の仏様です。御朱印では「勢至菩薩」の文字が書かれます。いずれも300円となっています。このほか期間限定の御朱印があり、時期ごとにさまざまな御朱印を書いてもらえます。
知恩院のお土産
知恩院の敷地内には、泰平亭(たいへいてい)という売店があり、仏具やおみやげ物など、さまざまな商品が販売されています。
無料休憩所もありますので、京都観光に疲れたら、一休みすると良いでしょう。また、オンラインで商品販売もしています。
知恩院オンラインショップでは、数珠(じゅず)やローソク、線香ほかの仏具や、京小物、食品、その他グッズが販売されています。
【外部リンク】浄土宗総本山 知恩院 オンラインショップ
知恩院のイベント・年中行事
知恩院は、年間を通してさまざまな行事が行われます。中でも大きな行事は、先ほど紹介した除夜の鐘(じょやのかね)などがあげられますが、最も有名な行事は「ミッドナイト念仏 in 御忌(ミッドナイトねんぶつ いん ぎょき)」ではないでしょうか。
「ミッドナイト念仏 in 御忌(ミッドナイトねんぶつ いん ぎょき)」は、法然が亡くなられた日に行われる法要で、有名なだけでなく最重要の法要です。
三門の上部にある仏堂(ぶつどう)で、4月18日午後8時~翌朝19日午前7時行われます。随時受付となっており、誰でも都合が良い時間に参加可能です。
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知恩院の交通アクセス・拝観案内
知恩院の交通アクセス・拝観案内について紹介します。参拝時の参考にしてください。
- 知恩院の交通アクセス
- 知恩院の拝観案内
- 知恩院の駐車場情報
- 知恩院の地図
知恩院の交通アクセス
知恩院は、京都市営地下鉄東西線「東山駅」から徒歩7分、京阪電鉄「祇園四条駅」から徒歩10分です。周辺には八坂神社や青蓮院(しょうれんいん)などがありますので、併せて参拝すると良いでしょう。
知恩院の拝観案内
知恩院の開門時間は季節によって異なります。
季節 | 開門時間 | 閉門時間 |
12月~2月 | 午前6時 | 午後4時 |
3月~5月 | 午前5時30分 | 午後4時 |
6月~8月 | 午前5時 | 午後4時 |
9月~11月 | 午前5時30分 | 午後4時 |
※閉門時間はどの季節も午後4時ですが、各場所の受付は午前9時からとなっていますので、開門時間と差があります。
知恩院の駐車場情報
知恩院に納骨やお墓参りなどの用事がある場合には、警備員が駐車場を案内してくれます。観光などの場合には、「総本山知恩院新門南駐車場」の利用となり、タイムズの駐車場となります。
ただし、込み合う時期にはすぐに満車となりますので、なるべく公共交通機関を利用しましょう。
知恩院の地図
知恩院の住所は「〒605-8686 京都市東山区林下町400」です。マップは以下のとおりです。
【外部リンク】浄土宗総本山 知恩院
まとめ
知恩院は浄土宗の総本山で、国宝の三門や大鐘楼、七不思議などが有名です。また、ミッドナイト念仏など、インパクトのある行事でも知られており、多くの参拝者が訪れるお寺です。東山区を代表するスポットですので、ぜひ京都観光の際には訪れたいお寺です。
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