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京都一周トレイルをご存知ですか?京都一周トレイルは伏見桃山から上桂まで、京都市を囲む山道コースです。約83.3キロのうち今回は北山コース東部の一部(ケーブル比叡駅から大原戸寺町)を、コース沿いの寺社とともに紹介します。ご覧ください。
京都一周トレイル北山コース東部の概要
京都一周トレイルは、京都市を囲む山々を登るコースで、トレイル初心者でも楽しめます。京都市の東、北、西を囲む山道およそ83.3キロのコースで、おおまかには以下5つのコースがあります(コースは5コースですが、計9回くらいに分割されると登りやすいです)。
深草コース | 1回で登り切れます |
東山コース | 3分割がおすすめ |
北山コース(東部) | 2分割がおすすめ |
北山コース(西部) | 2分割がおすすめ |
西山コース | 1回で登り切れます |
※ほかにも別コースとして設定されている京北(けいほく)コースがありますが、ここでは紹介しておりません。
この記事では北山コース(東部)を、周辺の寺社とともに紹介いたします。
※各コースの一覧は「京都一周トレイルにある人気の寺社」をご覧ください。
北山コース東部のケーブル比叡駅から大原戸寺町まで
京都一周トレイル北山コース東部は、比叡山の「ケーブル比叡駅(ひえいえき)」から二ノ瀬(にのせ)までの全長約17.9キロのコースです。
ただ、1回でこれだけ歩くと大変なので、2回に分けるのがおすすめです。おすすめの分け方は以下のとおりです。
《京都一周トレイル北山コース東部を2分割》
- 比叡山(ひえいざん)のケーブル比叡駅(ひえいえき)から大原戸寺町(おおはらとでらちょう)
- 大原戸寺町(おおはらとでらちょう)から二ノ瀬(にのせ)
この記事は上記①の案内記事です。
距離や標高
京都一周トレイル北山コース東部(ケーブル比叡駅〈ひえいえき〉から大原戸寺町〈おおはらとでらちょう〉)の距離は約9.8キロで、最大標高は794mです。
コースの特徴
京都一周トレイル北山コース東部(ケーブル比叡駅〈ひえいえき〉から大原戸寺町〈おおはらとでらちょう〉)の特徴は、京都一周トレイル全コースの中で最もしんどいコースです。
ただ、京都一周トレイル自体が初心者向けなので、老若男女問わず多くの人たちが楽しんでいるコースではあります。
とはいえ、山は気を引き締めて登るに越したことはないため、ある程度運動してから登るか、当サイトで紹介している各コースの順番に、体力を付けながら登るのも良いでしょう。
コース全体として、上りの距離は多くないのですが、数カ所かなりきつい傾斜があるほか、最後の下り坂は長くてきついため、休みながらゆっくり進まれることをおすすめします。
北山コーススタート
このコースでは、ケーブルカーでケーブル比叡駅(ひえいえき)まで上り、そこからスタートとなります。ロープウェイで比叡山(ひえいざん)山頂まで行けますが、京都一周トレイルでは山頂へは行きませんので、案内板に従って進みましょう。周辺地図は以下のとおりです。
ケーブルカーは八瀬(やせ)というところから乗車し、ケーブル比叡駅まで1.3キロメートルの距離を約9分で結んでいます。高低差は日本一の561メートルとなっており、春には桜、秋には紅葉のトンネルを楽しめます。
ただし、冬場は運休するので、営業しているかどうかは公式サイトで確認してください。
【外部リンク】比叡山の観光に、京都、出町柳から比叡山山頂、京都八瀬をつなぐ叡山ケーブル・ロープウェイ
前回の続きとなりますので、これより前の様子をご覧になりたい人は以下記事をお読みください。
【関連記事】京都一周トレイル東山コースと周辺の寺社(銀閣寺周辺からケーブル比叡駅)
今回はケーブル比叡駅(ひえいえき)から大原戸寺町(おおはらとでらちょう)に向かう順番で紹介しますが、逆から進んでも問題ありません。
比叡山ケーブル駅から歩き始める
前回は案内板74まで進みましたが、そこは東山コースの終了地点でした。ここからは北山コースに入り、案内板はまた1からとなります。今回は案内板24がゴールです。
最初はゆるりと坂を登ります。
しばらくすると、案内板2が見えてきます。
この辺りは、かつてスキー場があった場所ですね。
直進すると、次の案内板が見えてきます。
案内板3の指示に従って進みます。
ノンビリと歩ける道を、真っすぐ進みます。
絶景スポットを経て案内板6まで進む
しばらく歩くと、左手に絶景スポットが見えてきます。標高が高いので、ホントにキレイですよ。
この絶景スポットは案内板4のところにあります。
引き続き、歩きやすい道を直進します。
立派な石碑(せきひ)を見ながらさらに直進です。仏教には国を守り安定させる力があるとする意味の「鎮護国家(ちんごこっか)」と書かれてますね。
その石碑(せきひ)の手前に案内板5があります。
そのあと少し下ります。
道なりに歩くと次の案内板が出てきます。
案内板6です。ここを左折します。
そうすると、橋を渡ることになります。
延暦寺の山王院堂
橋を渡ると案内板7が見え、左折します。
こんな山奥にお堂が建てられています。
このお堂は「山王院堂(さんのういんどう)」で、円珍(えんちん)という平安時代のお坊さんが住んだ場所です。
円珍(えんちん)は天台宗(てんだいしゅう)の寺門派(じもんは)という集団を開いたお坊さんで、円珍が亡くなって百年、円仁(えんにん)というお坊さんの集団との間で紛争が起こりました。円珍の集団は、ここから木像を背負って滋賀県の三井寺(みいでら)に移住したとのことです。
歴史上たいへん重要なお堂で、千手観音(せんじゅかんのん)を祀(まつ)ることから、千手堂(せんじゅどう)などとも呼ばれます。
山王院堂(さんのういんどう)を後にして、トレイルコースを進みます。
歴史と信仰の比叡山を楽しむ
比叡山は長い歴史と信仰を体感できる山です。京都一周トレイルでも、その魅力を余すことなく味わえます。
重要スポットの浄土院
灯籠(とうろう)が建ち並ぶ道を下ると、浄土院(じょうどいん)があらわれます。
ここは、日本の天台宗(てんだいしゅう)を開いた最澄(さいちょう)を祀(まつ)る建物で、比叡山(ひえいざん)の中で最も清らかな聖域です。
822年(平安時代)に最澄(さいちょう)が亡くなられたあと、854年(平安時代)に弟子の円仁(えんにん)が中国のお寺を真似て建てました。
最澄(さいちょう)のご遺体を祀(まつ)ったとのことで、ここを守る僧侶は12年間比叡山から降りられず、覚悟としては一生比叡山を降りないほどの気持ちで、最澄(さいちょう)にお仕えする場所です。
浄土院(じょうどいん)を後にして、トレイルコースは引き続き雰囲気の良いところを歩きます。
案内板8があらわれました。ここは迷いやすいので、案内板をしっかりチェックしましょう。
こんな階段を下ります。
案内板9-1を進みます。
西塔の釈迦堂
右手にトイレ、その奥に大きなお堂が見えてきました。ここでトイレ休憩をはさんでおきましょう。
立派なお堂は比叡山延暦寺(ひえいざんえんりゃくじ)西塔(さいとう)の釈迦堂(しゃかどう)です。
比叡山は東塔(とうどう)、西塔(さいとう)、横川(よかわ)という地域があり、これらにあるお堂をまとめて延暦寺(えんりゃくじ)といいます。
釈迦堂(しゃかどう)は延暦寺に残っている中で最も古い建物で、もとは三井寺(みいでら)のお堂でしたが、豊臣秀吉が移築したものです。釈迦堂は重要文化財(じゅうようぶんかざい)に指定されています。
【外部リンク】天台宗総本山 比叡山延暦寺 [Hieizan Enryakuji]
釈迦堂近くの、案内板9-2の指示に従って進みます。
案内板10-1を直進します。
このようなトンネルが出てきます。
トンネルを越えたら、道なりに右に曲がります。
階段を登ります。
ここからしばらくは、歩きやすい道が続くので、楽しく歩けます。
次の案内板が見えてきました。
北山11-1を左折です。
階段を下ります。
北山11-2を直進します。
千日回峰行でも重要な玉体杉
立派な杉の木が現われました。この杉のことを玉体杉(ぎょくたいすぎ)といいます。
玉体杉(ぎょくたいすぎ)の横にはベンチがあるので、この辺りでお弁当を食べている人をよく見かけます。
ここから見える京都市内の景色は絶景です。
実はここ、千日回峰行(せんにちかいほうぎょう)をされるお坊さんが、京都御所(きょうとごしょ)に向かってお祈りをされる場所です。
とんでもなく厳しい千日回峰行とは
千日回峰行(せんにちかいほうぎょう)とは、天台宗の修行の中で最も厳しいもので、比叡山の山中を歩きながら礼拝する修行です。
千日回峰行は7年かけて行われ、最初の3年間は1日に30キロほどを毎年100日間行います。4年目と5年目は1日30キロを200日間行います。
合計700日に達すると明王堂(みょうおうどう)というお堂にこもり、9日間飲まず食わずで、不動明王(ふどうみょうおう)を表す言葉を唱え続けます。
眠ることも横になることもできず、およそ10万回唱え続けることになります。成功すると阿闍梨(あじゃり)と呼ばれ、生身でありながら不動明王になることができます。
6年目はこれまでの行程に加えて、比叡山を赤山禅院(せきざんぜんいん)というお寺まで下り、お花を供えてから比叡山に戻らなければなりません。
その距離は1日で60キロとなります。この100日のことを「赤山苦行(せきざんくぎょう)」と呼び、15時間ほどかかる厳しい修行です。
7年目の前半は、比叡山から赤山禅院、京都市内の巡礼の合計84キロを100日行い、後半の100日は比叡山の中をもとどおり30キロ巡ります。
これが終われば、千日回峰行が終了となります。
【関連記事】赤山禅院は鬼門除けの猿が有名!【京都の寺社100選】(左京区)
急な傾斜に要注意
玉体杉(ぎょくたいすぎ)を越えれば、しばらく歩きやすい道を進むことになります。しかし、その後、京都トレイル最大の難所が続きます。
京都一周トレイル最大の難所
ずいぶん歩きやすい道となります。
案内板12を直進します。
そして、ここが最も大変な場所です。案内板では直進となっていますが、初めて来る人はここで目を疑います。道らしき道がないからです。
実は、以下写真のところを登っていくことになります。
ここは京都一周トレイル最大の難所です。慌てずゆっくり登りましょう。
登り切ったら案内板13が立てられています。右に曲がりましょう。
ちなみに、ここは横高山(よこたかやま)の山頂で、標高は767メートルです。
また歩きやすい道になります。
案内板14を直進します。
続いて案内板15を直進します。歩きやすいのでスムーズに進む場所です。
京都一周トレイル二番目の難所
歩きやすいのはこのあたりまで。ここからまた急な上りです。
京都一周トレイルで2番目の難所です。つまり、今回のコースには、最大の難所と2番目の難所が立て続けに現れるのです。
最大の難所ほどの坂ではありませんが、結構長く上り坂が続くので、途中でバテる人が多いです。
その代わり、景色はキレイです。無理せずノンビリ登りましょう。
難所を越えれば下り
案内板16-1です。ここまでくれば難所も終了です。
たいへん歩きやすくなりますよ。
ちなみにここは水井山(みずいやま)山頂で、標高794メートルです。平安遷都の794年と同じ数字ですね。覚えやすいです。
案内板16-2を直進します。
難所で頑張った人は、この辺りで足がガクガクし出す頃かも知れません。のんびり歩きましょう。
案内板16-3を直進します。
下り坂をゆっくり歩きましょう。
案内板16-4を直進します。
引き続き下りです。
案内板17を左に曲がります。
この辺りは特に整備が行き届いてますね。とても歩きやすいです。
案内板18を直進します。
この辺りは仰木峠(おうぎとうげ)といいます。
引き続き歩きやすい道を進みます。
大原戸寺町まで一気に下山
歩きやすい道ですので、テンポ良く進めますが、この後の下山は急な下り坂が続きますので注意が必要です。
急な下り坂にご注意を
案内板19を左折します。
ヒザの負傷や、転倒でケガしないよう、ゆっくり降りましょう。
こんな感じで、急な下りが延々と続きます。
案内板20です。ゴールが24なので先が見えてきましたね。
下の方まで降りてくると、美しい川が現われます。川の音に疲れが癒されますよ。
橋を渡ります。
坂が終わればもう一息
橋の横に案内板21があります。
ここまでくれば、あとは平坦な道を楽しむだけです。
川沿いを歩くのは気持ちがいいです。
門がありますので、開けて通りましょう。もちろん、通ったら閉めておきましょうね。
案内板22を右に曲がります。
住宅が見えてきました。
案内板23を右折です。
もうゴールは目と鼻の先です。
大原戸寺町に到着
ついに、今回のゴール地点である案内板24です。
交通量の多い道に出ます。
案内板24から見える距離に、京都バス「戸寺バス停」がありますので、利用すると良いでしょう。周辺地図は以下のとおりです。
まとめ
京都一周トレイル北山コース東部(ケーブル比叡駅〈ひえいえき〉から大原戸寺町〈おおはらとでらちょう〉)は、京都一周トレイル全コースの中で最大の難所と2番目の難所があるため、最もきついコースです。
とはいえ、京都一周トレイルそのものが初心者向けなので、マイペースでチャレンジすれば、老若男女問わず歩ききれます。信仰の聖地である比叡山(ひえいざん)を、大自然とともにたっぷり楽しめますので、ぜひ歩いてみてください。
【このコースの続き】は「京都一周トレイル北山コース東部と周辺の寺社(大原戸寺町から二ノ瀬)」をご覧ください。
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