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相国寺(しょうこくじ)をご存知ですか?相国寺はたいへん格式高く、参拝するとその高さを体感できる立派なお寺です。立派なお堂が並んでいるほか、貴重な作品を展示している美術館もあります。この記事で詳しく解説しますのでぜひ参考にしてください。
相国寺の歴史や見どころをご紹介
相国寺(しょうこくじ)は京都市上京区にある臨済宗(りんざいしゅう)のお寺で、正しくは相国承天禅寺(しょうこくじょうてんぜんじ)といいます。まずは相国寺の歴史や見どころから紹介いたします。
相国寺の歴史
相国寺は1382年(室町時代)に3代将軍の足利義満(あしかがよしみつ)が、春屋妙葩(しゅんおくみょうは)というお坊さんや、義堂周信(ぎどう しゅうしん)というお坊さんを招いて、建立を計画しました。
1383年(室町時代)には、春屋妙葩(しゅんおくみょうは)の師匠である夢窓疎石(むそうそせき)が初代のトップに、春屋妙葩(しゅんおくみょうは)が2代目としてお寺に入りました。
1384年(室町時代)には仏殿(ぶつでん)というお堂が建てられ、1392年(室町時代)にはお寺が整いましたが、その後の火災で全焼しました。
1396年(室町時代)にはほとんどの伽藍(がらん)が建て直されたものの、その後も何度か火災で燃えてしまいました。豊臣秀吉や徳川家康の援助により、その度に復興しています。
相国寺の見どころ
相国寺にはたくさんの見どころがありますが、中でも特に見ていただきたいところをピックアップして紹介します。
立派な龍が描かれている法堂
法堂(はっとう)は、1605年に豊臣秀吉の息子である豊臣秀頼(とよとみひでより)の寄付で建てられました。5回目の再建であるものの法堂建築(はっとうけんちく)としては最古の建物です。
正面が28.72メートル、側面が22.80メートルある堂々とした立派な法堂で、天井には龍の絵が描かれています。
この龍は安土桃山時代の絵師(えし)である狩野光信(かのうみつのぶ)が描いた龍で、たいへんダイナミックな絵となっています。
法堂が再建された際に描かれたもので、まわりに描かれた雲の様子は剥(は)がれて見にくくなっているものの、龍の姿は現在でもキレイに見ることができます。法堂の内部は春と秋の一般公開時に見学可能です。
宗旦稲荷社
相国寺には宗旦稲荷(そうたんいなり)というお社(おやしろ)があります。宗旦稲荷(そうたんいなり)は、宗旦狐(そうたんぎつね)という伝説によって建てられています。
江戸時代の初め頃、相国寺に一匹の白い狐(きつね)が住んでいました。千宗旦(せんのそうたん)という茶人に化けて、修行僧を一緒に坐禅(ざぜん)を組んだり、お坊さんと囲碁(いご)を打ったり、近所のお宅でお菓子を食い荒らすことなどもありました。
そんな宗旦狐(そうたんぎつね)は、相国寺塔頭(たっちゅう)慈照院(じしょういん)の茶室が披露(ひろう)された際、見事な作法でお茶をたてました。遅れてきた本物の宗旦(そうたん)は驚き、たいへん感心したようです。
宗旦狐(そうたんぎつね)は、猟師(りょうし)に撃たれて死んだとも、大好物の油揚げを盗んで逃げ、井戸に落ちて死んだともいわれています。
いたずらするだけでなく、人びとを喜ばせることもあった宗旦狐の供養(くよう)のため、修行僧たちがお社をつくりました。それが現在でも宗旦稲荷(そうたんいなり)として残っています。
伊藤若冲などの作品がある承天閣美術館
相国寺の境内(けいだい)には、承天閣美術館(じょうてんかくびじゅつかん)が建てられています。承天閣美術館(じょうてんかくびじゅつかん)は、相国寺が建てられてから600年を記念した事業の一環で、1984年(昭和時代)に開館しました。
その長い歴史の中で、多くの絵画や書、茶道具など、さまざまな文化財が伝わっています。たとえば、安土桃山時代から江戸時代初期にかけての絵師(えし)である長谷川等伯(はせがわとうはく)の作品や、江戸時代の画家である伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)の作品など、見ごたえのある作品が展示されています。
多くの国宝(こくほう)や重要文化財(じゅうようぶんかざい)を保有していますので、ぜひ相国寺に行ったら入場してください。
相国寺のお役立ち情報
相国寺のお役立ち情報として以下内容を紹介します。ぜひ参考にしてください。
- 金閣寺も銀閣寺も相国寺の塔頭
- かつて109メートルの七重大塔が存在した
- 相国寺は京都五山第2位
- 相国寺の声明面
- 相国寺の御朱印
金閣寺も銀閣寺も相国寺の塔頭
京都の有名な観光スポットとして、金閣寺(きんかくじ)〈正式には鹿苑寺(ろくおんじ)〉と銀閣寺(ぎんかくじ)〈正式には慈照寺(じしょうじ)〉があります。実は金閣寺も銀閣寺も、相国寺(しょうこくじ)の塔頭(たっちゅう)です。
敷地の外にあるので境外塔頭(けいがいたっちゅう)といいます。有名な金閣寺や銀閣寺を統轄(とうかつ)していることからも、相国寺のスケールがお分かりいただけるでしょう。
【関連記事】金閣寺は相国寺の塔頭寺院【京都の寺社100選】(北区)
【関連記事】銀閣寺の見どころや銀箔説を解説【京都の寺社100選】(左京区)
かつて109メートルの七重大塔が存在した
相国寺には、大きな七重塔(ななじゅうのとう)が建っていました。1399年(室町時代)に建てられた七重塔は高さ約109メートルと伝わり、有名な東寺(とうじ)の五重塔(ごじゅうのとう)の54.8メートルの約2倍の高さです。
室町時代に落雷で炎上し、1406年(室町時代)に再建されるものの炎上、1470年(室町時代)に再建されるもまた火災で炎上しました。残っていれば、京都のシンボルの1つとなっていたことでしょう。
相国寺は京都五山第2位
相国寺は上記でも紹介したように、臨済宗(りんざいしゅう)のお寺です。臨済宗は京都五山(きょうとござん)というお寺の格付け、カンタンにいうとランキングがあります。
そのランキングによると相国寺は京都五山第2位のお寺です。五山の下には十刹(じっさつ)という格付けがあり、多くのお寺が格付けされています。
京都五山(※1386年時点) | |
別格上位 | 南禅寺(なんぜんじ) |
1位 | 天龍寺(てんりゅうじ) |
2位 | 相国寺(しょうこくじ) |
3位 | 建仁寺(けんにんじ) |
4位 | 東福寺(とうふくじ) |
5位 | 万寿寺(まんじゅじ) |
※本来は足利氏の政治的な事情による格付け
相国寺の声明面
禅寺の特徴を「面(づら)」と表現するのですが、相国寺はお経などが美しいことから、「相国寺の声明面(しょうみょうづら)」と呼ばれました。
「〇〇面(づら)」 | |
南禅寺の武家面(ぶけづら) | 武家の信者が多くて繁栄した |
相国寺(しょうこくじ)の声明面(しょうみょうづら) | お経などが美しい |
建仁寺の学問面(がくもんづら) | 詩や文芸などが得意なお坊さんを輩出 |
東福寺(とうふくじ)の伽藍面(がらんづら) | お寺の建物が立派。25の塔頭(たっちゅう)を有する |
大徳寺の茶面(ちゃづら) | 茶の湯文化と縁が深い |
妙心寺(みょうしんじ)の算盤面(そろばんづら) | 組織運営が得意 |
こんな見方をするのも京都寺社巡りの楽しいところです。
相国寺の御朱印
相国寺では以下の御朱印をいただけます。
無畏堂の御朱印 |
円明の御朱印 |
伊藤若冲の御朱印(鯉) |
伊藤若冲の御朱印(カワセミ) |
承天閣美術館の御朱印(不動明王) |
塔頭の大光明寺の御朱印 |
オリジナル御朱印帳も用意されていますので、ぜひ入手してください。
相国寺の参拝情報
相国寺の参拝情報として以下内容を紹介します。ぜひお出かけ前にチェックしておきましょう。
- 相国寺の拝観料や参拝時間
- 相国寺の交通アクセス
- 相国寺の駐車場情報
- 相国寺の地図
相国寺の拝観料や参拝時間
相国寺は境内自由散策(無料)で、春と秋に行われる法堂などの一般公開時には、大人800円、65歳以上と中高生が700円、小学生が400円です。参拝時間は10時~4時半(受付終了は4時)となっています。
承天閣美術館(じょうてんかくびじゅつかん)の入館料は、大人800円、大学生600円、中高生300円、小学生200円です。開館時間は10時から17時(入館は16時30分まで)です。
相国寺の交通アクセス
相国寺への交通アクセスは、市バス「同志社前(どうししゃまえ)」バス停から徒歩約5分、「烏丸今出川(からすまいまでがわ)」バス停から徒歩約6分です。また、地下鉄「今出川駅(いまでがわえき)」から徒歩約8分です。
相国寺の駐車場情報
相国寺には参拝者専用の無料駐車場があります。入り口に係員がいらっしゃいますので、一声かけると場所を教えてくださいます。
相国寺の地図
相国寺の住所は「〒602-0898 京都市上京区今出川通烏丸東入」です。地図を以下にて掲載しますので、参拝時の参考としてください。
【外部リンク】相国寺 | 臨済宗相国寺派
まとめ
相国寺は金閣寺と銀閣寺を統轄するほど、スケールが大きく格式高いお寺です。広い敷地に大きなお堂が建ち並ぶほか、国宝や重要文化財を保有する承天閣美術館(じょうてんかくびじゅつかん)があり、たいへん見どころの多いお寺となっています。宗旦稲荷(そうたんいなり)も含め、ぜひ余すところなく見学しましょう。
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