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京都三大三門(きょうとさんだいさんもん)をご存知ですか?京都では三大○○とつくものがいくつかありますが、お寺の三門にも三大に数えられる門があります。この記事では京都三大三門を詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
京都三大三門とは?3つのお寺をご紹介
三門(さんもん)は、お寺の正式な入口のことで、各寺院の門の中でも特に立派です。その三門の中で京都三大三門に数えられるのは、「知恩院(ちおんいん)の三門」「南禅寺(なんぜんじ)の三門」「仁和寺(にんなじ)の二王門(におうもん)」です。それぞれの門について詳しく見ていきましょう。
知恩院の三門
京都市東山区にある知恩院(ちおんいん)の三門は、高さは24メートル、横が50メートルの巨大な門で、木造の門としては国内最大級です。
屋根瓦(がわら)が約7万枚使われているほか、外に掲(かか)げられている「華頂山」の額は畳2畳以上と、そのスケールに驚かされます。
ただでさえこれほど大きな三門なのですが、20段ちょっとある石段の上に建てられているため、実際よりさらに大きく感じられ、近くまでいくと圧倒されます。
そんな知恩院の三門は1621年(江戸時代)に、2代将軍の徳川秀忠(とくがわひでただ)の命令で建てられました。
上部にある仏堂(ぶつどう)という空間には、宝冠釈迦牟尼仏(ほうかんしゃかむにぶつ)や十六羅漢(じゅうろくらかん)などの仏像が並んでおり、内部は鮮やかな色を何色も使った「極彩色(ごくさいしき)」で描かれています。
また、知恩院には七不思議というものがあり、そのうちの1つ「白木の棺(しらきのひつぎ)」があります。知恩院の三門は普段入ることはできませんが、特別に公開される時がありますので、そのタイミングでは見学が可能です。
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南禅寺の三門
京都市左京区にある南禅寺(なんぜんじ)は、鎌倉時代からの歴史を持ち、格式高いお寺として知られています。広い境内(けいだい)の中でひときわ存在感を放っているのが、参拝者を出迎えてくれる三門(さんもん)です。
1295年(鎌倉時代)に建てられた三門は室町時代に焼失してしまいました。しかし、藤堂高虎(とうどうたかとら)という武将が大坂夏の陣(おおさかなつのじん)で亡くなった家来を弔(とむら)うため、1628年(江戸時代)に再建しました。
南禅寺三門が登場することで有名なのが、「楼門五三桐(さんもんごさんのきり)」という歌舞伎(かぶき)です。石川五右衛門(いしかわごえもん)が満開の桜を眺めて「絶景かな、絶景かな」というのがそのシーンです。
南禅寺の三門は高さ約22メートルと大変大きく、歌舞伎のとおり上からの景色は絶景です。
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仁和寺の二王門
京都市右京区にある仁和寺(にんなじ)の二王門(におうもん)は、「仁王門」とも書きます。高さ18.7メートルと大きな二王門には、左右に立派な金剛力士像(こんごうりきしぞう)が、門番のように祀(まつ)られており、通るときには気持ちがピリッとします。
初代の二王門はいつ建てられたのか定かではありませんが、現在の二王門は江戸時代に建てられました。
知恩院や南禅寺の三門が禅宗(ぜんしゅう)の様式であるのに対し、仁和寺の二王門は平安時代の伝統を引き継ぐ和様(わよう)という様式で建てられています。
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実は別の寺院を数えることもある
京都三大三門のうち、仁和寺の二王門に代えて「東福寺(とうふくじ)の三門」や「東本願寺(ひがしほんがんじ)の御影堂門(ごえいどうもん)」を加えるケースもあります。それぞれの門について紹介します。
東福寺の三門
京都市東山区にある東福寺は、「伽藍面(がらんづら)」と呼ばれるほど立派なお堂が建ち並んでいます。その中で南側にある三門は、室町時代に再建されたもので、高さ約22メートルと巨大です。
普段は登ることができませんが、特別拝観の際には見学可能で、高さがあるだけに三門からの景色は絶景です。
三門の内部には宝冠釈迦如来像(ほうかんしゃかにょらいぞう)や十六羅漢像(じゅうろくらかんぞう)などの仏像などが安置されており、独特な雰囲気の空間で多くの仏像を参拝可能です。
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東本願寺の御影堂門
京都市下京区にある東本願寺には、御影堂(ごえいどう)という世界最大級の木造建築があります。東本願寺の入り口に立つ御影堂門(ごえいどうもん)は、世界最大級の御影堂にふさわしい立派な門です。
高さ27メートル、正面が21メートル、側面が13メートルで、木造建築の山門としては世界最大級です。また、木造建築の二重門(にじゅうもん)〈2階建の門の一つ〉としては日本一の高さを誇っており、たいへん堂々とした姿をしています。
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【番外編】日本三大門
京都だけでなく日本全国に目を向けると、日本三大門(にほんさんだいもん)としてくくられている門があります。
日本三大門(にほんさんだいもん)には、南禅寺の三門、東福寺の三門、山梨県の久遠寺(くおんじ)の三門が数えられています。
お寺の三門に関する豆知識
そもそも三門とはどういったものなのでしょうか?ここでは三門に関する豆知識を紹介します。
三門の意味
三門は、「空門(くうもん)」「無相門(むそうもん)」「無願門(むがんもん)」という3つの境地を経て、仏が住んでいる国に至る門という意味で、三解脱門(さんげだつもん)とも呼ばれます。
空・無想・無願の意味は以下表をご覧ください。
空 | 実態がないこと(物事にこだわらない) |
無相 | 形や特徴がないこと(見かけで差別しない) |
無願 | 願い求めないこと(欲望のまま求めない) |
ちなみに、解脱(げだつ)とは、本能にもとづく迷いに心を縛られた状態(煩悩〈ぼんのう〉)から脱し、自由になることを指します。
三門と山門の違い
お寺の門のことを山門(さんもん)ともいいますが、山門と三門はどう違うのでしょうか?山門は、お寺の多くが山に建てられたため、「山」の文字が使われ、お寺の門全般のことを指します。
一方、三門は、中央の大きな門と左右の小さな門の3つを連ねた1つの門のことを指します。
三門をくぐる際の作法
三門をくぐる時の作法は、帽子などを脱ぎ、服装を整えた上で軽く一礼しましょう。門をくぐる時は道の端を歩き、敷居(しきい)は踏まずにまたいで通ることが作法です。
まとめ
京都には立派な三門を持つお寺がいくつか存在し、中でも立派な門は京都三大三門と呼ばれています。門だけをじっくり見ても感動できるほど、素晴らしい三門ですので、それぞれをじっくりご覧ください。三門巡りをするファンもいらっしゃいますので、ぜひこの記事を参考にしていただますと幸いです。
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