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8月の京都はどの寺社を巡れば良いのでしょうか?8月の京都ではさまざまな行事が行われる中、特に有名なのが五山の送り火です。この記事では真夏のおすすめ京都観光スポットを詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
8月におすすめの京都寺社イベント(行事)
8月は京都の各寺社において、さまざまなイベント(行事)が行われます。ここでは数ある8月のイベント(行事)の中から、特におすすめのイベント(行事)について紹介します。
- ご先祖さまをお迎えする六道まいり
- 6カ所のお地蔵さまを巡る六地蔵めぐり
- 各地で行われる六斎念仏
- 京都の年中行事一覧(8月)
ご先祖さまをお迎えする六道まいり
京都市東山区の六道珍皇寺(ろくどうちんのうじ)では、毎年8月7日から10日までの4日間、ご先祖の霊をお迎えする「六道まいり」が行われます。
この期間は多くの参拝者で賑わい、迎え鐘(むかえがね)を撞(つ)こうとする参拝者で長い列ができます。迎え鐘(むかえがね)とは、ご先祖さまの霊を迎えるための鐘で、小さなお堂の中に隠れており、外に出ているロープを引っ張って撞(つ)きます。
六道珍皇寺を開いた慶俊(けけいしゅん)というお坊さんがつくらせた鐘で、古くからその鐘の音があの世まで届くと信じられています。
六道まいりは夜まで行われるほか、周辺のお寺でも行われ、京都の夏の一大行事となっています。
6カ所のお地蔵さまを巡る六地蔵めぐり
22日~23日は、年に1度の六地蔵(ろくじぞう)めぐりが行われ、一家の安全や健康を祈る行事として多くの参拝者めぐっています。
平安時代の後期、後白河法皇(ごしらかわほうおう)〈天皇在位:1155年(平安時代)~1158年(平安時代)〉の命令を受けた平清盛(たいらのきよもり)は、西光(さいこう)というお坊さんに六角形のお堂を建てさせました。
そのお堂は1つではなく都の出入り口である6カ所に建て、それぞれのお堂にお地蔵さまを祀(まつ)りました。このことが六地蔵めぐりの始まりで、6カ所のお寺は以下のとおりです。
寺院名 | 所在エリア | 通称 |
大善寺(だいぜんじ) ※六地蔵発祥(はっしょう) | 伏見区 | 伏見六地蔵(ふしみろくじぞう) |
徳林庵(とくりんあん) | 山科区 | 山科地蔵(やましなじぞう) |
上善寺(じょうぜんじ) | 北区 | 鞍馬口地蔵(くらまぐちじぞう) |
源光寺(げんこうじ) | 右京区 | 常盤地蔵(ときわじぞう) |
地蔵寺(じぞうじ) | 西京区 | 桂地蔵(かつらじぞう) |
浄禅寺(じょうぜんじ) | 南区 | 鳥羽地蔵(とばじぞう) |
各寺院にある「お幡(はた)」と呼ばれるお札(ふだ)を集めます。持ち帰り、6枚まとめて玄関につるすと、病気を避けて福が来るといわれています。
各地で行われる六斎念仏
京都では、各寺社に六斎念仏(ろくさいねんぶつ)が行われます。六斎念仏とは、太鼓(たいこ)や鉦(かね)などを鳴らし、念仏などを唱えながら踊るものです。行われる寺院と日程は以下のとおりです。
寺院名 | 日程 |
9日・16日 | 壬生寺 |
14日 | 千本ゑんま堂(引接寺) |
16日 | 西方寺 |
18日 | 上御霊神社 |
22日 | 浄禅寺、上善寺 |
23日 | 阿弥陀寺(嵯峨野) |
25日 | 吉祥院天満宮 |
30日 | 梅宮大社 |
21日 | 蔵王堂光福寺 |
京都寺社の年中行事一覧(8月)
その他、8月の年中行事を以下一覧表にて紹介します。
開催日 | 行事名 | 開催地 |
上旬~中旬 | 御手洗祭(みたらしさい)・御手洗川足つけ燈明神事(みたらしがわあしつけとうみょうしんじ) | 北野天満宮 |
5日 | 万灯会(まんとうえ) | 醍醐寺 |
6日 | 矢取神事(やとりしんじ) | 下鴨神社 |
7日~10日 | 若宮八幡宮祭(わかみやはちまんぐうさい)・陶器祭(とうきまつり) | 若宮八幡宮周辺 |
7日~10日 | 六道まいり | 六道珍皇寺 |
7日~10日 | 六道まいり | 西福寺 |
9日 | 壬生六斎念仏(みぶろくさいねんぶつ) | 壬生寺 |
9日~16日 | 千日詣り(せんにちまいり) | 清水寺 |
11日~16日 | 納涼古本まつり | 下鴨神社 |
16日 | 五山の送り火 | 五山 |
13日~16日 | みたま祭 | 京都霊山護国神社 |
20日 | 宵弘法(よいこうぼう) | 大覚寺 |
22日~23日 | 六地蔵めぐり | 大善寺、徳林庵、上善寺、浄禅寺、源光寺、地蔵寺 |
29日~30日 | 愛宕古道街道灯し(あたごふるみちかいどうとぼし) | 清凉寺~愛宕神社一の鳥居 |
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涼しい室内見学施設がある真夏の穴場
真夏の京都はものすごく暑く、昼間の寺社めぐりは厳しいものがあります。寺院のお堂は比較的涼しいとはいえ、それでも京都の真夏は蒸し暑くて体力を消耗します。
しかし、冷房が効いた部屋があれば、少しでも楽に観光ができますよね?そこで、室内見学施設を備えた穴場スポットを紹介します。
寺院自体は穴場ではありませんが、見学施設は穴場と言っても良いかと思いますので、ぜひ参考にしてください。
- 平等院ミュージアム鳳翔館
- 相国寺の承天閣美術館
- 醍醐寺の霊宝館
- 本能寺の大賓殿宝物館
平等院ミュージアム鳳翔館
京都府宇治市にある平等院(びょうどういん)には、「平等院ミュージアム鳳翔館(ほうしょうかん)」という施設が備わっています。
平等院ミュージアム鳳翔館(ほうしょうかん)には、平等院が保有するさまざまな仏像をはじめ、貴重な品々が展示されており、涼しいところでのんびりと文化財を見学できます。
また、最新のデジタル技術を使った映像で平等院の解説も見れ、平等院をより深く理解できます。
相国寺の承天閣美術館
京都市上京区の相国寺(しょうこくじ)には、承天閣美術館(じょうてんかくびじゅつかん)が建てられています。
承天閣美術館(じょうてんかくびじゅつかん)は、相国寺が建てられてから600年を記念した事業の一環で、1984年(昭和時代)に開館しました。その長い歴史の中で、多くの絵画や書、茶道具など、さまざまな文化財が伝わっています。
たとえば、安土桃山時代から江戸時代初期にかけての絵師(えし)である長谷川等伯(はせがわとうはく)の作品や、江戸時代の画家である伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)の作品など、見ごたえのある作品が展示されています。
多くの国宝(こくほう)や重要文化財(じゅうようぶんかざい)を保有していますので、ぜひ相国寺に行ったら入場してください。
醍醐寺の霊宝館
京都市伏見区の醍醐寺(だいごじ)には、霊宝館(れいほうかん)があります。霊宝館(れほうかん)は醍醐寺の貴重な宝物の保存と公開を兼ね、1935年(昭和10年)に開館しました。
醍醐寺は醍醐山(だいごさん)の上の「上醍醐(かみだいご)」と、醍醐山ふもとの下醍醐(しもだいご)で構成されており、霊宝館(れいほうかん)は下醍醐(しもだいご)にあります。
上醍醐の本尊である国宝の薬師三尊像(やくしさんそんぞう)や、かつて上醍醐の五大堂(ごだいどう)に安置されていた重要文化財の木造五大明王像(もくぞうごだいみょうおうぞう)も、霊宝館に安置されています。
本能寺の大賓殿宝物館
京都市中京区の本能寺(ほんのうじ)には大賓殿宝物館(だいほうでんほうもつかん)があり、何度も火災にあうなかで守られてきた宝物が保管されています。
たとえば、本能寺の変の前夜に鳴き出して異変を知らせたという「三足の蛙(みつあしのかえる)」という香炉(こうろ)〈お香をたく道具〉や、梅樹雉雀文様銅鏡(ばいじゅきじすずめもんようどうきょう)という重要文化財(じゅうようぶんかざい)の鏡(かがみ)、織田信長が持っていた建盞天目茶碗(けんさんてんもくちゃわん)など、貴重な宝物が多く展示されています。
夏の京都の一大行事「五山の送り火」
毎年8月16日には、五山(ござん)の送り火が行われます。特定の寺社が行う行事というわけではありませんが、京都の年間行事の中でも大きな行事ですので、ここで取り上げたいと思います。
五山の送り火は、京都市の東、北、西の三方を囲む山のうち、5つの山で順次点火され、ご先祖様の霊をあの世に送る行事です。具体的内容として以下を紹介します。
- 五山の送り火の種類
- 五山の送り火のトリビア
- 昔は十山あった
五山の送り火の種類
五山の送り火の種類と、点火時間について紹介します。
大文字
東山の如意ヶ嶽(にょいがたけ)の大文字(だいもんじ)は、20時に点火されます。「大」の文字は1画目が80メートル、2画目が160メートル、3画目が120メートルの大きさです。空海(くうかい)というお坊さんが始めたなど、諸説あります。
妙・法
「妙(みょう)」と「法(ほう)」は松ケ崎西山(まつがさきにしやま)と松ケ崎東山(まつがさきひがしやま)の2つの山に1文字づつありますが、合わせて1つの山で1つの文字とカウントされます。
日蓮宗(にちれんしゅう)のお坊さんが「南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)」から「妙」の文字を書き、それを元に始まったと伝わります。20時5分に点火されます。
船形
船形(ふながた)は西賀茂船山(にしがもふねやま)で、20時10分に点火されます。中国の唐(とう)に留学した円仁(えんにん)というお坊さんが、帰国する際の船をかたどったといわれています。
船の頭は極楽浄土(ごくらくじょうど)を向いているとも伝わります。
左大文字
東山の大文字に対し左大文字(ひだりだいもんじ)と呼ばれ、金閣寺(きんかくじ)の北にある大北山(おおきたやま)にて、20時15分に点火されます。
この大北山は標高が約200メートルと低いため、大の文字も低い位置で燃えます。そのため、町中からの距離が近く、ダイナミックな送り火となっています。
鳥居形
鳥居形(とりいがた)は曼荼羅山(まんだらやま)で、20時20分に点火します。成り立ちには諸説あり、愛宕神社(あたごじんじゃ)との関係が深いのではないかといわれていますが、ハッキリとはまだ分かっていないようです。
五山の送り火のトリビア
五山の送り火には、面白いトリビアがあります。それは、最初に点火される「大」の文字には「人」が含まれており、これはお盆にこの世に戻ってきたご先祖さまを表すとされています。
そのあと「妙・法」でお経を唱え「船」に乗って三途の川(さんずのかわ)を渡ります。そうすると「左大文字」で人が人ではなくなり、「鳥居」をくぐってあの世に帰っていくというものです。
たいへん面白い話ですが、おそらくこれは後付けの話でしょう。なぜならかつては五山の送り火ではなく、十山だったからです。
昔は十山あった
現在の送り火は五山ですが、かつては十山だったといわれています。残りの送り火は以下のとおりです。
文字 | 地域 |
「い」 | 市原 |
「一」 | 鳴滝 |
「竹の先に鈴」 ※文字ではなく簡易なマーク | 西山 |
「蛇」 | 北嵯峨 |
「長刀」 | 観空寺村 |
残念ながら資金難でなくなってしまったとのことです。
まとめ
8月の京都ではさまざまな行事が行われる中、特に有名なのが五山の送り火です。京都市の東、北、西の三方を囲む山のうち、5つの山で順次点火され、ご先祖様の霊をあの世に送ります。
また、8月の京都では、六道まいりや六地蔵めぐりなど、年に一度の行事が盛大(せいだい)に行われます。暑さ対策に配慮しつつ、真夏の京都を味わってください。
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