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京都の世界文化遺産といえばどこを思い浮かべますか?京都には17の文化財がまとめて登録されており、有名な寺社がその中にズラリと名を連ねています。この記事で詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
京都の世界文化遺産情報
京都にある世界文化遺産について、まずは以下内容から紹介します。観光の予備知識として把握しておきましょう。
- 世界文化遺産とは
- 古都京都の文化財としてまとめて登録
- 奈良の世界遺産数との比較
世界文化遺産とは
世界遺産とは、過去から引き継がれた人類の宝物のことで、世界中の人びとが未来へと伝えていくべきもののことです。世界遺産は文化遺産、自然遺産、複合遺産があり、それぞれの内容は以下のとおりです。
文化遺産 | 記念物や建造物群、遺跡、文化的景観など |
自然遺産 | 地形や地質、生態系、絶滅のおそれのある動植物の生息や生育地など |
複合遺産 | 文化遺産と自然遺産の両方の価値を兼ね備えているもの |
古都京都の文化財としてまとめて登録
京都には17の世界文化遺産があります。とはいっても、17個がそれぞれ登録されているのではなく、「古都京都の文化財」としてまとめて登録されています。
奈良の世界遺産数との比較
奈良には、「法隆寺地域の仏教建造物(ほうりゅうじちいきのぶつぞうけんぞうぶつ)」「古都奈良の文化財(ことならのぶんかざい)」「紀伊山地の霊場と参詣道(きいさんちのれいじょうとさんけいみち)」の3つが登録されています。それぞれの内容は以下のとおりです。
法隆寺地域の仏教建造物 | 法隆寺と法起寺の二つの寺院における木造建造物 |
古都奈良の文化財 | 東大寺、興福寺、春日大社、春日山原始林、元興寺、薬師寺、唐招提寺、平城宮跡 |
紀伊山地の霊場と参詣道 | 「吉野・大峯」「熊野三山」「高野山」の三つの霊場と、それらを結ぶ「大峯奥駈道」「熊野参詣道」「高野参詣道」の参詣道 |
京都にある17の世界遺産
「古都京都の文化財」として、まとめて登録されている寺社17全てを紹介します。知っていただいた上で、ぜひ世界遺産巡りをしてください。
宇治上神社
京都府宇治市にある宇治上神社(うじかみじんじゃ)は、平等院(びょうどういん)とともに宇治の代表的観光名所です。
1060年(平安時代)頃に建てられたといわれている本殿(ほんでん)は、神社建築として最古のものとして国宝(こくほう)に指定されています。
古くから存在するという雰囲気を味わえる静かな神社で、ゆっくり観光したい人におすすめです。ほかの世界遺産のような派手さはありませんが、歴史の重みを感られる良さがあります。
ちなみに、明治維新までまでは隣にある宇治神社(うじじんじゃ)と合わせて宇治離宮明神(うじりきゅうみょうじん)と呼ばれました。宇治神社と合わせて参拝すると良いでしょう。
【関連記事】宇治上神社は日本最古の神社建築【京都の寺社100選】(京都市外)
延暦寺
延暦寺(えんりゃくじ)は天台宗(てんだいしゅう)の総本山(そうほんざん)で、比叡山(ひえいざん)という山の上に建てられているお寺です。
比叡山は東塔(とうどう)、西塔(さいとう)、横川(よかわ)など、それぞれ離れた場所にて構成されており、全て巡ると半日ほどの観光ができます。
延暦寺は、平安時代の強訴(ごうそ)〈僧侶が集団で朝廷へ自己の要求をしたこと〉や戦国時代における織田信長の焼き討ちなど、たびたび歴史舞台に登場します。
そんな延暦寺の住所は滋賀県大津市(しがけんおおつし)ですが、「古都京都の文化財」に含まれての世界遺産登録となっています。
ちなみに、比叡山は京都市で二番目に高い山で、京都一周トレイルコースが設置されています。そのため、山登りファンが初心者から楽しめます。
【外部リンク】天台宗総本山 比叡山延暦寺 [Hieizan Enryakuji]
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賀茂御祖神社(下鴨神社)
京都市左京区の下鴨神社(しもがもじんじゃ)は、正式には賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)といいます。下鴨神社に祀(まつ)られている賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)と玉依媛命(たまよりひめのみこと)は、京都市北区の上賀茂神社(かみがもじんじゃ)に祀られている神さまと深い関係があります。
カンタンにいうと、下鴨神社の神さまは、上賀茂神社の様の母親と、母方のお爺さんが祀られています。そんな下鴨神社は、美しく立派な本殿や、自然豊かな長い参道、人気パワースポットである糺の森(ただすのもり)など、多くの見どころがあります。
古くから自然と建物が美しく融合し神社で、その姿は今もそのまま残っています。
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賀茂別雷神社(上賀茂神社)
上賀茂神社(かみがもじんじゃ)は、正式には賀茂別雷神社(かもわけいかづちじんじゃ)といい、かつてこの地で勢力を誇っていた賀茂県主(かもあがたぬし)家の祀(まつ)る神社が始まりとされています。
都を守る神社として「賀茂の厳神(かものげんしん)」と呼ばれました。京都市西京区にある松尾大社(まつのおたいしゃ)は「松尾の猛霊(まつおのもうれい)」と言われ、東の「賀茂の厳神(かものげんしん)」、西の「松尾の猛霊」と並び称されました。
現在、桜の名所としても人気で、シーズンになると多くの観光客で賑わいます。
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教王護国寺(東寺)
京都市南区にある東寺(とうじ)は、正式には教王護国寺(きょうおうごこくじ)といい、立派な五重塔(ごじゅうのとう)が有名なお寺です。
桜と紅葉が美しい東寺は、花見シーズンに賑(にぎ)わうほか、毎月21日に行われる弘法市(こうぼういち)にも、多くの人が押し寄せます。
東寺は仏像の名所でもあり、多くの種類の仏像が立派な姿で並んでいます。京都における仏像ファンの聖地の1つでもあり、見どころたっぷりのお寺です。
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清水寺
京都市東山区にある清水寺(きよみずでら)は、京都でもトップクラスの人気を誇る観光スポットです。有名な清水の舞台(きよみずのぶたい)からの景色は絶景であるほか、舞台自体のスケールも大きく、その迫力に圧倒される人が多いです。
春は桜、秋は紅葉が見事であり、その美しさは国内外の観光客を魅了し続けています。修学旅行生が京都に来たら必ずと言っていいほど参拝するお寺でもあり、大人になってから思い出とともに再度参拝する人が後を絶ちません。
人の賑(にぎ)わいは覚悟が必要ですが、それでも行って損はないおすすめスポットです。
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高山寺
京都市右京区の高山寺(こうざんじ)は、日本で最初にお茶が作られた場所として知られるほか、国宝の「鳥獣人物戯画(ちょうじゅうじんぶつぎが)」が有名です。
鳥獣人物戯画は日本最古の漫画で、動物や人間が活き活きとユーモラスに描かれています。高山寺にある鳥獣人物戯画は複製で、本物は東京国立博物館と京都国立博物館で保管されています。
普段は人出が少ないエリアにある高山寺ですが、紅葉シーズンになると周辺は一気に賑わいを見せ、その雰囲気は一変します。
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慈照寺(通称:銀閣寺)
京都市左京区にある銀閣寺(ぎんかくじ)は、慈照寺(じしょうじ)が正式名称です。銀閣とは国宝の観音殿(かんのんでん)のことで、金閣と呼ばれる金閣寺(きんかくじ)〈正式には鹿苑寺(ろくおんじ)〉の舎利殿(しゃりでん)とともに、とても有名な建物です。金色に輝く金閣とは対照的に、銀閣は素朴(そぼく)な良さを味わえます。
銀閣寺の庭園は美しい苔(こけ)のほか、盛り上がった白い砂に波の形の模様が入った「銀沙灘(ぎんしゃだん)」や、円すい台(えんすいだい)の形をした「向月台(こうげつだい)」など、個性的な見どころが多いです。これらと銀閣の調和は見事ですので、ぜひ散策して欲しいお寺です。
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仁和寺
京都市右京区にある仁和寺(にんなじ)は、旧御室御所(きゅうおむろごしょ)と呼ばれ、明治時代に入るまでは皇室関係者が住職をつとめていたお寺です。
広大な敷地や立派な建物は、御所というワードが入るにふさわしいスポットだと感じられます。特に、五重塔(ごじゅうのとう)が見渡せる庭園は美しく、皇室ゆかりの格式を体感できます。
また、1日でお遍路(へんろ)ができる「御室88ヶ所霊場(おむろはちじゅうはちかしょれいじょう)」も人気です。運動不足解消もかねて、2時間ほどの軽めの山歩きとともに霊場を巡りましょう。
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西芳寺(苔寺)
京都市西京区にある西芳寺(さいほうじ)は、通称で苔寺(こけでら)と呼ばれており、庭園一面を覆(おお)っている苔の美しさは見事です。
西芳寺の庭園は上段と下段があり、上段は枯山水庭園(かれさんすいていえん)、下段は池泉回遊式庭園(ちせんかいゆうしきていえん)となっています。
そんな西芳寺を拝観するには事前予約が必要で、オンラインや往復ハガキにて予約が可能です。
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西本願寺
京都市下京区にある西本願寺(にしほんがんじ)は、浄土真宗(じょうどしんしゅう)のお寺で、巨大な阿弥陀堂(あみだどう)と御影堂(ごえいどう)、国宝の唐門(からもん)など、見どころたっぷりです。
特に、普段は非公開の書院(しょいん)や飛雲閣(ひうんかく)はたいへん素晴らしく、西本願寺が世界文化遺産に加えられていることがうなずけます。
ちなみに飛雲閣(ひうんかく)は、金閣寺と通称される鹿苑寺(ろくおんじ)金閣と、銀閣寺と通称される慈照寺(じしょうじ)銀閣と並び、京の三閣(きょうのさんかく)とされるほか、大徳寺(だいとくじ)の芳春院(だいとくじほうしゅんいん)、東福寺(とうふくじ)の伝衣閣(でんねかく)を加えて京の5閣と呼ばれています。
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醍醐寺
京都市伏見区にある醍醐寺(だいごじ)は、桜の名所として知られており、毎年春になると美しい桜が境内(けいだい)あちこちで咲き誇ります。
また、国宝(こくほう)や重要文化財(じゅうようぶんかざい)の数が圧倒的で、その数は7万5千点以上にものぼります。
醍醐寺は上醍醐(かみだいご)と下醍醐(しもだいご)で構成されており、上醍醐へは約1ほどの山道を登ります。「醍醐味(だいごみ)」の語源である醍醐水(だいごすい)という湧き水は、今でも上醍醐に存在します。
下醍醐には多くのお堂が建ち並ぶほか、三宝院(さんぽういん)という塔頭(たっちゅう)があり、下醍醐をコンプリートすると、塔(とう)・仏像・庭園・その他文化財など、さまざまなものをたっぷり見学できます。
醍醐寺だけでも十分なほど見ごたえがあるお寺です。
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天龍寺
京都市右京区にある天龍寺(てんりゅうじ)は、嵯峨嵐山(さがあらしやま)周辺エリアの有名観光スポットです。特に、曹源池庭園(そうげんちていえん)という見事な庭園は、必ずご覧いただきたい素晴らしい庭園です。
天龍寺は臨済宗(りんざいしゅう)のお寺で、臨済宗のお寺には、室町時代に始まった「五山・十刹(ござん・じっさつ)」という格付け制度があります。
天龍寺は京都五山の第一位に格付けされており、その格式を伺うことができます。まさに、世界文化遺産に名を連ねるに相応しいお寺だといえるでしょう。
【関連記事】天龍寺は京都五山第1位のお寺【京都の寺社100選】(右京区)
二条城
京都市中京区の二条城(にじょうじょう)は、二の丸御殿(にのまるごてん)という建物が特に有名です。二の丸御殿は全部で6つの建物からなり、江戸初期に完成しています。
国宝指定された二の丸御殿内部には、日本絵画史上最大の集団といわれる「狩野派(かのうは)」による障壁画が数多く存在し、建物各所で見られる彫刻や飾りの金具などと合わせ、大変豪華な空間となっています。
ちなみに、二の丸御殿の小兵器がは約3600面が残され、1982年(昭和57年)に1016面が重要文化財となりました。それらにより、将軍の住居に相応しい空間を実現していますので、障壁画ファン必見のスポットです。
そんな二条城は、徳川家康が将軍になる際の儀式と、徳川慶喜(よしのぶ)の大政奉還(たいせいほうかん)〈政権を朝廷に返すこと〉が行われ、江戸幕府の始まりと終わりの場所として知られています。
【外部リンク】二条城 世界遺産・元離宮二条城
平等院
京都府宇治市にある平等院(びょうどういん)は、宇治市の観光名所として特に人気のあるお寺です。極楽浄土(ごくらくじょうど)をモチーフとした平等院を散策していると、その美しさとゆるやかな雰囲気に時間の感覚を忘れます。
また、境内にある鳳凰堂(ほうおうどう)は10玉のデザインに採用されているほか、鳳凰堂の上に乗っている国宝の鳳凰(ほうおう)は、1万円札のデザインに採用されていることなどで有名で、お金を出して見比べている人もいらっしゃいます。
藤(ふじ)の名所としても知られており、宇治に立ち寄った際にはぜひ観光したいお寺です。
【関連記事】平等院は鳳凰堂中心の極楽の世界【京都の寺社100選】(京都市外)
龍安寺
京都市右京区の龍安寺(りょうあんじ)は、世界的に有名な石庭(せきてい)があり、国内外から多くの観光客が訪れます。
15個ある石は、どこから見ても14個までしか同時に見えない設計で、確証ある作者は不明です。そのためなのか、石庭の解釈にはさまざまなものがあります。
そのミステリアスなところや、コンパクトな敷地にさまざまな解釈・世界観を見いだせるところが、世界中の人を魅了しているのかも知れません。
【関連記事】龍安寺は石庭や足るを知るが有名【京都の寺社100選】(右京区)
鹿苑寺(通称:金閣寺)
京都市北区にある金閣寺(きんかくじ)は、言わずと知れた観光名所です。広くて美しい庭園にそびえる「舎利殿(しゃりでん)」は、金閣と呼ばれ愛されています。金色に輝く金閣は、鏡湖池(きょうこち)という池に反射し、ため息がでるほどの美しさを放ちます。
世界で最も美しい場所の1つといわれる金閣寺は、京都観光の必須スポットです。ちなみに金閣寺は通称であり、正式には鹿苑寺(ろくおんじ)ですので、知っておくと良いでしょう。
【関連記事】金閣寺は相国寺の塔頭寺院【京都の寺社100選】(北区)
まとめ
世界遺産とは、過去から引き継がれた人類の宝物のことで、世界中の人びとが未来へと伝えていくべきもののことです。
京都では「古都京都の文化財」として、17の文化財がまとめて登録されており、有名な寺社がその中にズラリと名を連ねています。京都観光する場合に行先を迷ったら、世界文化遺産を中心に巡るのも良いでしょう。
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